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ブラザーが世界各地で幅広くお客様にご利用いただいているプリンターや複合機の印刷方式には、大きくレーザー方式とインクジェット方式の2種類があります。
レーザー方式では“トナー”という色の付いた粉を、熱で紙に定着させることで印刷を行い、インクジェット方式では、液体のインクを紙に直接吹きかけて印刷を行います。
トナーやインクはそれぞれ"カートリッジ"という専用容器で提供していますが、どちらも中身がなくなると新品に交換していただく必要があります。
ブラザーではこれまで、使用済みのトナーカートリッジを回収し、再生拠点で清掃・検査などを経て新製品と同一品質を持つトナーカートリッジへと再生。再びお客様にお届けしてきましたが、この知見を基に、使用済みインクカートリッジを回収・再生する取り組みをヨーロッパで始めました。
ブラザーグループ 環境ビジョン2050の実現に向けて
ブラザーでは2050年を見据えた「環境ビジョン2050」の中で、資源循環の最大化により、資源の持続可能な利用と、廃棄物による環境負荷の最小化を目指しています。その資源循環の最も代表的な取り組みとして、主力事業であるプリンティング事業において、レーザー複合機やプリンターで使用されたトナーカートリッジの再生を進めてきました。
2004年にヨーロッパから始まった取り組みはその後世界に広がり、2024年3月末までに、グループ全体で4,000万個以上のトナーカートリッジを再生してきました。2023年度単年でも、ブラザーグループ全体で270万個のトナーカートリッジを再生し、4,700トンのCO2の排出削減、1,000トンの新規資源の削減に寄与しています。
ブラザーでは、トナーカートリッジ再生の知見と経験をインクカートリッジの再生・リサイクルにも広げようとしましたが、それは容易なことではありませんでした。
インクカートリッジ再生を取りまく課題
インクカートリッジ再生の最大の課題の一つとなっていたのは、トナーカートリッジの再生と比較して、インクカートリッジの再生には多くの追加作業が必要なことでした。最高の品質を維持しながら、お客様に適正な価格で提供するには、インクカートリッジを徹底的に検査・清掃するための高度な作業が求められます。これは工数がかかる複雑なプロセスです。
トナーカートリッジ再生の豊富な知見を活かす
この課題に対しブラザーは、トナーカートリッジの再生における長年の経験を活かし、インクカートリッジの再生プロセスの開発を行いました。
20年以上にわたってトナーカートリッジを再生し続け、2013年からゼロ廃棄物認証を受けているヨーロッパの再生拠点において、その知見と専門性を応用し、インクカートリッジの再生に必要な分類、清掃、検査などのプロセスを効率化しました。
さらに、カートリッジが何回再生されたかを追跡できる品質管理技術を導入し、再生しやすいカートリッジの設計にも取り組んでいます。
お客様と環境に優しい製品の提供を目指して
ヨーロッパ30カ国*1において、ブラザーのプリンターをお使いのお客様は、インクカートリッジを交換する際に無料の返送用封筒などを使用して無料で返却できます*2。 返却された使用済みインクカートリッジは、ヨーロッパのカーボンニュートラルな再生施設で、100以上の工程を経て新製品と同一品質を持つインクカートリッジに生まれ変わり、再びお客様のお手元に届きます。 ブラザーは、お客様にも、環境にも優しい製品の提供を目指し、これからも挑戦を続けていきます。
SDGs目標12「つくる責任つかう責任」には、持続可能な生産消費形態の確保を目指すなかで、“廃棄物の発生を、予防、削減、再生利用や再利用により大幅に減らす”ターゲット(12.5)があります。インクカートリッジの再生は、家庭やオフィスの廃棄物を削減し、持続可能な社会の広がりに貢献しています。
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