2022年6月、岐阜県飛騨市に保護ネコのためのシェルター施設がオープン。その名も「SAVE THE CAT HIDAシェルター」。保護された猫の世話をし、里親を見つけるだけでなく、飛騨市と連携して「日本一猫にやさしい街」を目指しているとか。
プロジェクトを立ち上げた、株式会社ネコリパブリック代表の河瀬 麻花さんにお話をうかがいました。
SAVE THE CAT HIDAシェルター
飛騨市内の空き家を買い取り、猫が暮らしやすいようにリノベーションして昨年6月にオープンしました。現在37匹の猫がいます。自由に猫たちが行き来できる「家」のような雰囲気になっていますので、来た方と遊んでいただいたり、抱っこしていただいたり、直接触れ合うことができます。500円以上の任意の御寄附をいただいて、入場していただくというシステムです。ご近所の猫好きの方が通ってくださったり、小学生の子が500円玉握りしめて遊びに来たりしてくれています。「猫を初めてさわった」なんていう子どもたちもいます。保護猫を通して町の人たちが触れ合えるようなスペースになっていったらいいなと思っています。
日本で初めての「猫勢調査」実施
今月(2023年2月)から、飛騨市と一緒に「猫勢調査」を行う予定です。市内の各家にアンケートを配布して、市内で飼育されている猫や野良猫の情報を集めてデータベース化したいと思っています。また、どういった猫の問題が潜在的に存在するかを調査する目的もあります。この地域に野良猫が多いとか、あの家は多頭飼育崩壊気味なのではといった状況を事前に把握することで、殺処分になってしまう仔たちの保護に入れるのではないかと考えています。「猫の問題」って、つきつめると必ず「人の問題」につきあたるんですね。高齢化だったり孤立化だったり。飛騨市でふるさと納税を活用してソーシャルビジネスを立ち上げるという企画募集があり、「SAVE THE CAT HIDA」は、猫を通してそうした地域の問題を解決できないかと応募したものです。保護猫の活動って持続が大変。ふるさと納税を活用することで、資金面での安定はもちろんですが、行政と一緒に活動することで信用もしていただけるし、活動の幅も広がるんです。
高齢者を猫と一緒に地域で見守る
飼い主が高齢になって施設に入ったり亡くなったりして行き場がなくなった猫が、保健所に持ち込まれるケースも多いです。猫自体も高齢で、里親が見つかりづらいんですね。しかし私たちはそういった仔たちをレスキューし、「場」を作ることが必要だと考えています。60歳以上の方は、保護猫の里親になれないという団体も多いんですが、高齢者の方たちも、猫たちと暮らすことで生きがいにもなりますし、ぜひ高齢者の方にも保護猫を飼っていただきたいと思っています。そこで、高齢の方に新たに「猫のお預かりさん」になっていただくことで、高齢者を猫と一緒に地域で見守っていく、という事業を立ち上げようとしています。猫も人も最期まで幸せに暮らせるしくみを作りたいです。こうした飛騨市の活動が日本全国に広がって、一日も早く殺処分をゼロにできればと思っています。
株式会社ネコリパブリック代表 河瀬 麻花さん
この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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