


家具に使えない端材や、広葉樹などを原料につくられたクレヨンがあります。「森のクレヨン」。顔料を使わずに木材の色だけで色を作ったとか。一体、どんなきっかけで生まれたのか、飛騨市で森林活性事業を行っている企業、株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)のマーケティング担当 松山 由樹さんにお話をうかがいました。
飛騨の森で色をさがす

松山 由樹さん
弊社は国産材の利用拡大を支援する林野庁の「ウッド・チェンジ・チャレンジ」というプロジェクトにかかわっているんですが、ここに参加した「プレイ・フール」というクリエイティブユニット(ロンドンを拠点に活動する夫婦。妻が日本人)と出会って新しい木の利用法を模索したことがきっかけで、森のクレヨンは誕生しました。2021年の2月に二人が森の色を探しに来日されました。もともとクレヨンをつくりたいという構想があり、もっと紅葉でカラフルな森をイメージしていたそうなんですが、その時期の飛騨の森は雪で真っ白(笑) さあ、どうしようか!ということになりまして。
飛騨の広葉樹が集まる集材所へ行くことになり、そこで、木の種類はもちろん、木そのものの色がカラフルだ!ということに二人が気づいたんです。
木からうまれたクレヨンの色

提供:フェリシモ
「森のクレヨン」は全部で10色。着色料は使わずに、木そのものの色で色をつくることにこだわりました。飛騨らしい木としては、「ホウノキ」。葉っぱは、朴葉みそや朴葉すしに使いますが、実は木の中心の部分は鮮やかな緑色なんです。また飛騨伝統の和ろうそくに使う「ハゼノキ」は、キャラメルのような黄色をしています。珍しいところでは、「神代木(じんだいぼく)」といって泥の中で腐らずに長い年月を経た貴重な古木があるんですが、この木からはとても深い黒色ができました。あとは、なじみのあるスギやヒノキ、ケヤキ、カツラ、ヤマモモなど全部で10種類、岐阜県や三重県を中心に日本各地から集めた木材を使っています。木イコール茶色、じゃないんです。
一本のクレヨンから森に思いを巡らす

「森のクレヨン」は、通信販売会社「フェリシモ」で昨年(2021年)11月からネット販売を始めました。いろいろなメディアで取り上げられたこともあって、地元の方たちも直接見たいと我々が運営している「Fab Café Hida」に足を運んでくださるようになりました。実際に手にとると木によって、描き心地も全然違うんです。
3月には、開発に携わったプレイ・フールの二人も来日予定で、森のクレヨンをつくるワークショップなども計画しています。クレヨンが、森の価値を新たな視点で見直すきっかけになってくれればと考えています。
<森のクレヨン>
Playfoolによる「森のクレヨン」が「more felissimo」より登場(ヒダクマのサイトにリンクします)
株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ) マーケティング担当 松山 由樹さん


この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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