2023.08.16

デイリーファーム 専務取締役 市田 旭宏さんのSDGs

あいちの米たまご

2023.08.16

田んぼを守り「新しい循環の農業をめざす卵づくり」から生まれたという「あいちの米たまご」。田んぼと卵の間に一体どんな循環があるのでしょうか? 
愛知県常滑市にある、デイリーファーム 専務取締役の市田 旭宏(いちた あきひろ)さんにお話をうかがいました。

たまごと田んぼの循環は?

「米たまご」を産むニワトリは、飼料(エサ)の10%以上に地元愛知県産の米を配合して育てています。国産の牛や豚や卵はありますけど、そのエサ(飼料)となると多くが輸入に頼っているのが現状なんですね。そこで、国産の飼料米を使うことで真の食料自給率をあげていきたいというのが目的のひとつです。二つ目の目的は、耕作放棄地や休耕田を減らすこと。これらを活用して飼料米を育ててもらうことが、米農家の応援にもつながると考えています。これから日本の人口がどんどん減っていくことを考えると、米の消費量をあげていくのは難しい。じゃあ、人間が食べないんだったら、鶏や、豚や牛に食べてもらおうと。耕作放棄地を減らして、昔ながらの日本の田園風景をよみがえらせていきたい、という気持ちもあります。それに、ニワトリは卵を産むだけじゃなく、ウンチもしますので、それを自社で発酵させてたい肥をつくり、そのたい肥を田んぼの土づくりに生かして飼料米を作ってもらい、その飼料米をニワトリが食べて……という循環が産まれています。

「ごめんなさいたまご」って?

米たまご 「明日」 10個

米たまごの取り組みをはじめて10年になります。7年前には「ココテラス」という直売所もオープンさせました。「ココ」は「こっこ(ニワトリ)」で「ニワトリのテラス」という意味もありますが、地元の農業を元気にしたい思いがあるので、「ここ」から農業の未来を「照らす」「子どもたちを照らす」という意味も込めました。ここでは、大きさが不ぞろいでパックに入らない卵を「大玉ちゃん」「こだまちゃん」洗浄しても殻の汚れがとりきれなかった卵を「ごめんなさいたまご」と名前をつけてお値打ちに販売しています。中身は全く同じですから無駄にせず、おいしく食べてもらえればと。

たまごを通した食育の場に

市田 旭宏さん

3月には、地元常滑市の南陵中学校の生徒たちとコラボしてオリジナルのマドレーヌを開発。ココテラスの監修で販売しました。子どもたちが作るのはもちろんですが、素材選びから、値段決め、プロモーションまで子どもたちにやってもらいました。何を使ったら地元を盛り上げられるかといったことを考えて、地元の農家のイチゴや酒蔵「白老」の酒粕を使ったり、インスタグラムを駆使したり。ものづくりを通して地元を知るきっかけにもなってくれたらうれしいです。また、飼料米を作ってもらっている農家と協力して、米の収穫体験をしてもらうような、卵を通じた食育の場としての役目や、ここに来れば、卵に対してわくわくできる「卵のテーマパーク」みたいな形にもりあげていけたらと思っています。

取材先

デイリーファーム 専務取締役 市田 旭宏さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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