6月は「プライド月間」。世界各地で「LGBTQ+」の権利について啓発を促すさまざまなイベントが開催されています。名古屋市金山駅近くにある本屋「TOUTEN BOOK STORE」は、古民家を改造した懐かしいたたずまいと、店主がこだわるユニークな本選びが話題。先月、「LGBTQ+」に関連した本を集め、ブックフェアを開催したばかり。今注目の本とブックフェアの反響について、店主の古賀 詩穂子さんにうかがいました。
増えているLGBTQ+関連の本

セクシャルマイノリティ―の当事者やその支援者が、パレードを通してすべての人が誇りをもって暮らせる社会を目指す「レインボーパレード」が先月名古屋でもありました。主催団体の名古屋レインボープライドの方と知り合うきっかけがあり、何か共同でできないかと「LGBTQ+」のブックフェアを開催しました。体感ではありますが、「LGBTQ+」関連の本は最近増えていますね。ジェンダー、「LGBTQ+」という言葉も少しずつ社会に浸透してきましたし、企業や学校なども「正しく知ってしくみを整えたい」という要求が背景にあるんだと思います。うちでは、専用の棚も設けていて「LGBTQ+」関連の本には力をいれています。
絵本からコミック、ルポルタージュまで

今回のブックフェアは、名古屋レインボープライドの方と一緒に選んだんですが、絵本からコミック、エッセイ、ルポルタージュまで、さまざまなスタイルのアプローチで読みやすいものもたくさんあります。例えばおすすめの絵本として『ふたりママの家で』(著:パトリシア・ポラッコ)。タイトル通り、ママが二人いる家のお話です。養女としてやってきた女の子の視点で、男女のカップルと何ら変わらない、幸せで愛情たっぷりの家族の形が描かれています。また『王さまと王さま』(絵と文:リンダ・ハーン スターン・ナイランド)は、昔話のスタンダードが王子様とお姫様だった中、王子様と王子様が結ばれてもいいんじゃないか、というオランダで生まれた多様性をテーマにしたお話です。アーティスティックな画も魅力的。こういう風に、絵本で小さい頃から自然に多様性に触れられ、視野を広げられたらいいなと思います。
著者を招いたトークイベントも

『LGBTQ+って何だろう』(著:薬師 実芳 :笹原 千奈未 : 古堂 達也 :小川 奈津己)は、入門書としておすすめです。当事者の声もしっかり入っていて、多様なジェンダー観を学ぶためにも非常に役立つと思います。そして昨年発売されたルポルタージュ『愛と差別とLGBTQ+』。著者の北丸雄二さんは、ニューヨークで25年間活動してきたジャーナリストです。ゲイであるご自身の記録をつづることで、日本とニューヨークの違いや、その時代を生きたLGBTQ+の歴史や文化も一緒に読むことができます。先月、北丸さんにお越しいただいてトークイベントを行いました。北丸さんは知識が豊富な上にお話もお上手ですごく盛りあがりました。
TOUTEN BOOK STORE 店主 古賀 詩穂子さん


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