4月6日に愛知県長久手市のモリコロパークで「介助犬フェスタ」が開かれます。身体が不自由な人の日常生活をサポートしてくれる心強いパートナー「介助犬」。まだまだその存在を知らない方も多いようです。社会福祉法人 日本介助犬協会 管理部 石田 夢果(いしだ ゆめか)さんに、介助犬についてうかがいました。
介助犬って?

提供:社会福祉法人 日本介助犬協会
盲導犬、聴導犬、介助犬と、身体の不自由な方のサポートしてくれる犬たちを総称して「ほじょ犬」といいます。交通事故や病気などで、手足に障がいを負われた方のサポートをしてくれるのが「介助犬」。車いすに乗っている人が物を落とした時に拾ってくれたり、手が不自由な人のために衣服や靴の脱ぎ着を手伝ったり、と介助犬を希望される方一人ひとりにあわせて、オーダーメイドで訓練、育成しています。
愛知県長久手市には、「シンシアの丘」という全国唯一の介助犬の訓練センターがありますが、私もそのスタッフの1人です。
介助犬と暮らすことで広がる生活

提供:社会福祉法人 日本介助犬協会
日常生活のサポートをしてくれることはもちろんですが、介助犬と一緒に暮らし始めたことで、それまでは引きこもりがちだった方がアクティブになられたり、復職をされたり。また、パラスポーツに挑戦された方もいらっしゃいます。「何かあったときに、助けてくれる存在がいる」という安心感が、積極的な社会参加につながっていくのではないかなと考えています。介助犬の行動管理や衛生管理は、基本的に利用者の方が工夫しながら行うことになっていますので、それで生活リズムが安定したり、守るべき存在がいることで自尊心の向上につながったりする、という効果もあると思います。
犬たちは「仕事」というより、遊びの延長でトレーニングをし、利用者の方によりそっています。例えば、利用者の方が1日何も物を落とさずに、やることがなかったという時もあるんですが、そうすると犬たちが「今日は何もしないの?」と要求してくる(笑)そんな時はわざと(笑)物を落として拾ってもらう、なんていうこともあるみたいです。
まだまだ知られていない介助犬

石田 夢果さん
これまで日本介助犬協会として送り出した介助犬と利用者のペアは、61組。(引退したペアも含む。介助犬認定は、犬単独ではなくサポートされる人とのペアが成立して初めて認定されるため、ペアでカウント)現役で活躍しているのは、15組です。少しずつ増えてはいますが、今、日本で活躍している盲導犬848頭、聴導犬58頭と比較すると、まだまだ少ないです。介助犬と一緒に生活すれば、もっと生活が向上するだろうという方は1万5千人ほどいると言われていますので、とにかく数が足りていないですね。それ以上に介助犬そのものの存在をご存知なかったり、正しく理解していないために自分には必要ないと思っていたりする人も多いです。そのためにも、こうしたイベントの機会を増やして、直接介助犬にふれていただき(トレーナー体験や実際に介助犬と生活している人の話など)、もっと認知度を上げていきたいです。
社会福祉法人 日本介助犬協会 管理部 石田 夢果さん


この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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