2023.12.05

株式会社TSUKUYOMI 代表 継田 理恵さんのSDGs

おからから化粧品

2023.12.05

「おから」は豆腐をつくるときにできる豆乳を絞ったあとの搾りかす。なんと日本国内で年間70万トンも廃棄されているそうです。そんなおからのエキスを世界で初めて使ったオールインワンの乳液が話題を呼んでいます。「TOFUlly(トーフリー)」。
開発にあたった美容家で株式会社TSUKUYOMI 代表 継田 理恵さんにお話をうかがいました。

健康を救ってくれた豆腐を化粧品に

継田 理恵さん

大学卒業後、化粧品メーカーで営業を経験。その時に学んだ化粧品の成分や肌の知識などを生かして、現在、美容家として活動しています。美容にかかわって10年以上、さまざまな化粧品に触れてきましたが、もし自分が作るのなら、オーガニックやサスティナブルにこだわりたいとずっと考えていました。素材として豆腐を選んだのは、私が豆腐に救われたからです。20歳ごろ身体をこわした時期があって、その時に、栄養豊富な豆腐を毎日食べることを薦められたんです。以来、一日一丁ほど食べる習慣ができ、今も続けています。そんな豆腐を作るときに出るおからのおよそ95%が産業廃棄物として廃棄されていることを知り、「もったいない」と考えたのがおからを使おうと思ったきっかけです。

栄養がありすぎて…開発に苦労

これまで、美容家として化粧品の商品開発のお手伝いをすることはありましたが、企画段階からすべて携わるのは今回が初めてでした。
おからをそのままスクラブなどにして入れ込む化粧品はこれまでもありましたが、「おからからエキスを抽出する」という発想は、初めてだったようで、これを実現してくれる工場を探すのが大変でした。また、ようやく抽出したエキスが肌によいことはすぐわかったのですが、それを化粧品にして他の成分と混ぜたとき、腐りやすいという問題がおこりました。おからの栄養がありすぎて、菌がよろこんでしまうんですね。でも、オーガニックやサスティナブルにこだわる以上、多くの防腐剤を注入してそれを止めるということはしたくありませんでした。おからエキスの栄養をいかしながら成分バランスを整えるのが一苦労。開発には、1年半ほどかかりました。化粧水、乳液、美容液が一本になったものを目指したので、肌への浸透にもかなりこだわりました。

化粧品にもメッセージ性を

TOFUlly(トーフリー)

4月22日から正式に販売を始めました。忙しいママさんや敏感肌の方に反響をいただけて、オールインワンにしたことや成分にこだわったことが伝わったようでうれしいです。それに、結構男性からも反響をいただいているんですよ。男女別なく気軽に手にとれるように、ジェンダーレスなパッケージデザインを意識しましたし、素材も環境に配慮したバイオマス容器にしています。化粧品を「ただきれいになるだけのもの」にとどめるのではなく、化粧品自体にメッセージをとどける媒体の役割も持たせたいと考えています。この「TOFUlly(トーフリー)」をきっかけに、豆腐屋さんがおからの廃棄で苦しんでいることや、豆腐やおからのおいしさや栄養素を改めて知ってもらい、豆腐やおからも食べて、豆腐業界も盛り立ててもらえたらうれしいです。

取材先

株式会社TSUKUYOMI 代表 継田 理恵さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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