2023.12.19

パティスリー・アングレーズ・フィーユ パティシエ 小田原 益弘さんのSDGs

スポンジのぼうしプロジェクト

  • #フードロス削減
  • #子ども食堂

名古屋市千種区のケーキ屋さんが「スポンジのぼうし」というプロジェクトをスタートさせました。ケーキ作りの中で出る「あるもの」を「スポンジのぼうし」と呼んでアレンジし、新たなスイーツにして子ども食堂に届けようというもの。プロジェクトを始めたパティスリー・アングレーズ・フィーユのパティシエ 小田原 益弘さんにお話をうかがいました。

「スポンジのぼうし」とは?

(下)スポンジのぼうし

デコレーションケーキを焼くときに必ずできる茶色の「焼き面」がありますよね? この部分はスライスして下の白い部分を使うんですが、このスライスした部分を「スポンジのぼうし」とボクが勝手に(笑)呼ぶことにしました。
これまでは、細かくしてチョコレートと混ぜたり、切ってアップルパイの底に敷いたり、いろいろ工夫してはいますが、すべて使い切れないのが現状です。これはすべてのケーキ屋さんが抱えている問題じゃないでしょうか。それにボクはあの茶色の部分は、白い土台以上に「おいしい!」と思うんです。ぜひ何とかして食べてもらいたい。スポンジのぼうしに生クリームをはさんで4つにカットして、新たなお菓子にしました。

ケーキならではのわくわく感を子どもたちに

ずっと考えてはいたんですが、昨年の2月から、このスポンジのぼうしを名古屋市内の子ども食堂や施設などに届ける活動を始めました。「今日、ケーキあるよ!」って言われた時のわくわく感って特別なものがありませんか? 果物でもうれしいですが、ケーキってやっぱり特別。ケーキを食べたときの笑顔だったり、優しい気持ちだったりをみんなに届けたいなと。普段食べられない子どもも多いことを知って、その思いはより強くなりました。現在は、店の定休日に名古屋市内の子ども食堂3か所に定期的に届けています。ボクは直接子どもたちとは接しないんですが、施設の方から子どもたちがすごく喜んでいたという話を聞くと、うれしいです。
店舗でもこの「スポンジのぼうし」スイーツをひとつ120円で販売して、その価格の3割を子ども食堂の活動費に使わせてもらっています。チラシを添えて、お客様に活動の内容を伝えて、子ども食堂のことを知ってもらう工夫もしています。

全国のケーキ屋さんと連携できれば

小田原 益弘さん

この春、プロジェクトのサイトを立ち上げて、全国のケーキ屋さんへも呼びかけることにしました。きっと全国のケーキ屋さんが同じ様な問題(ケーキの切れ端どうしようか問題)を抱えていると思うんです。こんなやり方があると気づいてくれたら大きな力になります。仕組みとしては、支援していただく方、ボクらのようなケーキ屋(製造側)、そして子ども食堂、の3者みんなが喜べるようにと考えました。例えば、支援者として40個購入するとして、そのうちの30個は子ども食堂へ届け、残りの10個は自分たちで食べる、ということができます。(数量は自由)さらにそこに各お店の人気商品が返礼品としても届くというやり方です。こうすれば、自分たちもおいしく食べられて、子どもたちの応援への想いもかなう。お店側はフードロスが減り、新たなお客様を獲得する機会にもなる。作る人も、食べる人も、応援する人も、みんなで笑顔になれるプロジェクトを目指しています。

パティスリー・アングレーズ・フィーユ
所在地:名古屋市千種区自由ヶ丘2-10-17啓周ビル105号
電話:052-763-5833
公式サイト:https://p-anglaise.com
営業時間:10:00~19:30 イートイン 19:00まで(ラストオーダー 18:30)
定休日:水曜日(祝日の場合は木曜日)

取材先

パティスリー・アングレーズ・フィーユ パティシエ 小田原 益弘さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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