2024.04.05

海洋ゴミ楽器集団「ゴミンゾク」 リーダー パーカッショニスト 大表 史明さんのSDGs

海洋ゴミで音楽を

「ゴミンゾク」ってご存じですか?海や河川に流れ着いたゴミを使って楽器をつくり、演奏するアーティスト集団。ゴミと民族音楽をかけあわせて名付けたそう。「ゴミンゾク」のリーダーで、パーカッショニストの大表 史明さんに、その音楽に込めた思いをうかがいました。

海洋ゴミで楽器をつくることになったきっかけ

20年ほど前から民族楽器の奏者として活動しているんですが、それと同時に、楽器もつくっていました。もともと子どもの頃から父親の影響で工作は好きだったので。
3年前にとある企画で「海洋ゴミを使って楽器をつくってもらえないか」という依頼をうけたんです。そこで海に材料をとりにいくと、あまりにもたくさんのプラスチックごみが落ちていて、浜辺がカラフルなのに衝撃をうけました。依頼をうけた企画は単発で終わるはずだったんですが、「こんなに海にプラスチックが落ちているのなら、まだまだいろんな楽器がつくれるんじゃないかな」と思い、ボクだけその企画を継続中、というわけです。楽器を作り始めて1年半ほどたったとき、「そろそろアンサンブルができるな」と知り合いのミュージシャンに声をかけて、メンバーも増えました。現在は5人で演奏活動をしています。

フネンゴニ、ゴミセン、チャリンバ……楽器名もユニーク

大表 史明さんと「フネンゴニ」

世界中の民族楽器が好きで、いろんな楽器にふれてきました。そういった楽器からインスパイアをうけてごみを探すときもあれば、ごみ拾いしているときに「あ、これならあの楽器のパーツに使えるな」と発想することもあります。
最初につくったのは、ギニアに伝わる「カメレンゴニ」というハープリュートをもとに考案したものです。本来はひょうたんで共鳴させるんですが、漂着したブイで代用しています。ブイを半分に切って、本来ヤギの皮を張るかわりにブルーシートを張りました。そこに流木をさして、釣り糸を弦として12本張っています。(低音用の太い弦は、西表島でマグロ漁をしているところから。高音弦は、河口付近で拾った細い釣り糸を使用)名付けて「フネンゴニ」(笑) 不燃ごみから発想しました(笑)
他には、三味線風の「ゴミセン」、自転車のパーツを使って作った「チャリンバ」(親指ピアノの「カリンバ」風)など、海洋ゴミからつくった楽器は今(2022年の放送当時)30種類ほどになりました。

楽器自体がメッセージ

「ゴミからこんなに感動する音色が生まれるんだ」と、実は、つくったボク自身も感激したんです。今まで、いろんな民族楽器や音楽に手を出して、それぞれの活動がバラバラだったんですが、この「ゴミンゾク」でそれらが集約されたという感じ。将来はこれらの楽器を引き連れて、海外へ行きたいんです。世界中のいろんな海を見に行きたくて。今は5人でやっていますが、どんどん楽器も増やして、オーケストラ的なこともやってみたいです。楽器自体がメッセージを発してくれていますし、ボクたちの楽器と音楽に触れることで、環境問題に興味をもってくれたらうれしいです。

取材先

海洋ゴミ楽器集団「ゴミンゾク」 リーダー パーカッショニスト 大表 史明さん

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「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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