2024.05.02

東山動植物園 飼育第二係 原 真実さんのSDGs

ビントロング

シリーズ:絶滅危惧種を考える

2024.05.02

毎月一種、東山動植物園で飼育されている絶滅危惧種を紹介しています。今月はビントロング。東山動植物園の「夜行性動物のコーナー」で飼育展示されているんですが、「あまりよく知らない…」という方も多いかも……。ユニークな身体の特徴をふくめ、その生態を、東山動植物園 飼育第二係 原 真実さんにうかがいました。

ポップコーンのにおいがする動物

写真提供:名古屋市東山動植物園

ビントロングは、ジャコウネコ科の動物で、体長は60~100cm、体重は9~15キロくらいの大きさです。全身が黒っぽい毛でおおわれていて、毛が長いためにさらに大きく見えます。しっぽは胴体と同じくらいの長さがあり、筋肉が発達しているので、器用に木に巻き付けて身体を支えることができます。一番の特徴はにおい。ちょっと興奮したりすると、臭腺からポップコーンのようなにおいが出ます。とっても香ばしくていい匂いです(笑) 野生での生息域は、インドからタイ、マレー半島、インドネシアにかけての森林で、木の上で生活しています。雑食で何でも食べますが、果物がメイン。小動物、木の葉や木の実、魚をとって食べることもあるようです。昼に寝て、夜は活発に動く夜行性の動物ですが、まだ、生態の謎も多いんです。生息地でカメラを設置して行われた最新の研究では、これまで考えられてきたよりも、地上でも活動していることがわかってきました。

東山動植物園のビントロングたち

写真提供:名古屋市東山動植物園

ビンくん(オス17歳)とポップくん(オス5歳)の2頭を飼育しています。ビンくんは、もうおじいちゃんなんですが、穏やかでマイペース。ポップくんは、活発で好奇心旺盛。若いせいもありますが、ポップコーンのにおいがすごくよくします。私が掃除に入っていると、そっと近づいてきて、後頭部のにおいを嗅ぎにきたりします(笑)。
展示しているのは東山スカイタワー横、自然動物館の「夜行性動物エリア」。夜間は昼のように照明をつけ、お客様がいる時間帯は照明を暗くして、活発に動く様子を見ていただけるようにしています。かわいい顔とふさふさで長いしっぽを器用に使う様子を見てほしいです。開園して1時間くらいは、展示室に電気がついていて明るいので、ちょっとねぼけていてぼ~っとしているんですが、そのタイミングで来ていただけると顔もはっきり見えますよ。

過去30年間で30%以上減少という危機

原 真実さん(写真提供:名古屋市東山動植物園)

野生でははっきりと数の把握ができていないんですが、過去30年間で30%以上減少しているといわれていて、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種の危急種になっています。森林の伐採で、棲み処が減ってしまったり、断片化してしまったりして、生活や繁殖が難しくなってきたことが原因だと考えられています。また、食用や漢方に使われたり、ペットにするために密猟されたりもしています。
日本では、東山動植物園を含めて17園館でビントロングを飼育しています(2022年末現在 日本動物園水族館協会加盟)。東山はオス2頭ですが、いずれはメスを迎えて繁殖をめざせたらいいなと思っています。

施設名:名古屋市東山動植物園
所在地:〒464-0804 愛知県名古屋市千種区東山元町3-70
電話:052-782-2111
公式サイト:www.higashiyama.city.nagoya.jp
Youtubeチャンネル:www.youtube.com/user/HigashiyamaPark
開園時間:9:00~16:50(入園は16:30まで)
休園日:月曜日(祝日の場合は直後の平日)、12/29~1/1

取材先

東山動植物園 飼育第二係 原 真実さん

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