2024.04.12

株式会社丸繁製菓 専務取締役 榊原 勝彦さんのSDGs

食べられる食器 イートレイ e-tray

2024.04.12

夏祭りやイベントなどの楽しみは、なんといってもおいしいグルメ。でもそれらを食べた後の器が大量のゴミになってしまうのは、心が痛みます。そこで注目を集めているのが、愛知県碧南市の会社が開発した「食べられる食器 イートレイ」。株式会社丸繁製菓 専務取締役 榊原 勝彦さんに開発のきっかけからお話をうかがいました。

アイスクリームのモナカメーカーが開発

榊原 勝彦さん

今から14、5年前、「B-1グランプリ」をはじめ全国で食のイベントが盛んに行われていました。そうした会場に勉強もかねてお邪魔していた時、非常に気になったのが、ゴミになっている大量の使い捨ての容器でした。もともと弊社はアイスクリームの皮、モナカの製造メーカで40年以上の歴史があります。アイスクリームのモナカも言ってみればひとつの器、お皿です。モナカのように器まで食べられれば、ゴミは減らせるのではないかと思いました。しかし、モナカそのままでは、水分に弱くふにゃふにゃになってしまいます。そこを改良したら、新たに世の中の役に立つものが作れるんじゃないか、と考えたのが開発のきっかけです。

「おいしく食べられる」が大前提

アイディアは、3か月くらいで形にはなりましたが、実際に耐久性を持たせるのにかなり苦労しました。なんといってもまず、おいしく食べていただくことが前提なので、機能性とおいしさを兼ね備えるものにするまでに、2年ほどかかりました。現在は常温の水をこのお皿にいれていただいても、約1時間はもつ設計になっています。
「イートレイ(e-tray)」のeは、食べられるというエディブル(edible)、エコロジー(ecology)、そして環境に「いい!」という意味を込めています。まず地元碧南市の焼きそば「碧南焼そば」の公式のお皿として、えびせん味のイートレイを提供することから始めました。ところが、せっかく採用していただいても、「食べられる」ことをお客様にアピールしないと、知らずに捨てられてしまう、なんて残念なこともありました。それに、どうしてもプラスチック容器に比べて価格が高くなります。「いいのはわかるんだけどねえ…」と採用が見送られたことも。ようやくここ数年SDGsの概念が浸透してきたおかげか、全国、さらに海外からもオファーをいただくことが増えました。

外食だけでなく、宅食の容器の可能性も

最初はえびせん味から始めたんですが、いろいろな料理にあわせて使っていただきたいので、プレーン味の他に、スイーツにも合うように、むらさきいも味、少しでも大きなアレルギーに反応しないようにと、とうもろこし味なども開発。ご当地グルメにあわせた味をオーダーされることもあります。開発のきっかけは大きなイベントでのゴミの削減だったんですが、今後は、家庭内で使えるような宅食需要にこたえられる器も開発していきたいと考えています。冷凍食品のトレイはプラスチックのものがほとんどですが、レンチンが可能なイートレイや、そのままお弁当箱に入れられるようなイートレイなども構想中。エコの活動ってどうしても負担になってしまうことが多いと思うんですが、楽しみながらやるというのがひとつのキーワードかなと思っています。

取材先

株式会社丸繁製菓 専務取締役 榊原 勝彦さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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