2024.04.19

エシカリージャパン合同会社代表 中川 雅里名さんのSDGs

ココナッツからレザー

2023年9月に東京ビッグサイトでお披露目をする話題の新素材「ココナッツレザー」。ココナッツから作られた、土に還すことができるとてもエシカルな素材なんだそう。日本でココナッツレザーを広めたいという、エシカリージャパン合同会社 代表 中川 雅里名さんにお話をうかがいました。

ココナッツレザーってどんな素材?

ココナッツレザーは、植物性のものだけを使ったヴィーガンレザーの仲間です。ココナッツって外側が繊維でごわごわしていますが、ココナッツレザーは、中身のココナッツウォーターを使います。ココナッツウォーターは発酵させると、ナタデココで親しみがあると思いますが、プルプルになるんですね。ここに麻やバナナのファイバー、天然の樹脂などを混ぜ込んで強度を高め、これを和紙のように漉き、大きなローラーで平らにならしてシート状にするんです。手触りは、和紙と牛革のちょうど中間のような感じ。ざらざらもつるつるもしすぎていない(笑)不思議な感覚ですね。今は、このココナッツレザーを使って、ボディバッグやスマホケース、お財布などを作っています。色は9色。染料も植物性のものを使っていて、アースカラーというか心が落ち着くような色を揃えています。

インドで大量廃棄されているココナッツ

私は、今年の3月まで家族でインドに住んでいたんですが、そこでココナッツレザーを知りました。自分と同世代のヨーロッパ出身の女性が、インドで起業して、ココナッツレザーのクラウドファンディングをしていたんです。ココナッツレザーを実際に手にとってみて素敵だなと感じ、ぜひ日本でも広めたいと思いました。
実は、インドは世界有数(第3位)のココナッツ生産国。南の地域にはココナッツがたくさん自生していて、昔から人々の生活を支えてきました。ところがココナッツウォーターは使われないものが、毎日数千リットル廃棄されていて、水質汚染や土壌の酸性化をひきおこしているんです。インドでは、ゴミをはじめ廃棄物処理のインフラがまだまだ整っていないのが現状。ですから、現地のココナッツ農家と協力して廃棄されるはずだったココナッツウォーターをリサイクルするというのは、エコの観点からとてもよい循環ができると考えています。

ココナッツレザーのファンを増やしたい

ココナッツレザーを日本に広めるため、9月6日から東京ビッグサイトで開かれる「東京インターナショナルギフトショー」に出展します(放送日2023年8月当時)。日本ではココナッツというと、リゾートのイメージが強いですが、ぜひ、実際にいろいろな方に手にとっていただき、こういう素材もあるんだ、と知っていただきたいと思っています。私も消費者の1人として「おしゃれだな。かわいいな」というところからココナッツレザーにほれ込みました。「環境にやさしいから買う」というより、まずは「おしゃれだからほしい」「持っていると楽しい」というところから入っていただき、そこからココナッツの大量廃棄による環境汚染に思いを馳せてもらえれば。まだ私1人で行っている活動なので、全国津々浦々に足を運べません。日本最大級のギフトショーでまずはココナッツレザーのファンを増やしたいです。

取材先

エシカリージャパン合同会社代表 中川 雅里名さん

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「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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