2024.04.09

オリエンタルビル株式会社 常務取締役 平松 正光さんのSDGs

MITSUHACHIプロジェクト

ビルの屋上などでミツバチを飼う「都市養蜂」。はちみつが採れるのはもちろん、養蜂を通じて都市の緑化や生物の多様性について考えることができると注目を集めています。今年から名古屋のど真ん中、栄三越の屋上でも養蜂が始まりました。題して「MITSUHACHIプロジェクト」。オリエンタルビル株式会社 常務取締役 平松 正光さんにお話をうかがいました。

きっかけはビル屋上の活性化

平松 正光さん

名古屋栄三越の入っているオリエンタルビルは、もともと1950年代に「オリエンタル中村」としてオープンしました。当時は百貨店といえば街のランドマーク。屋上には子どもたちが遊べる屋上遊園地もありました。私は今年45歳になるんですが、幼稚園の時、ここでモノレールに乗ったり観覧車に乗ったり、楽しい思い出がたくさんあります。しかし時代が流れて、小売の在り方や、娯楽の在り方も多様化し、屋上には気づけば遊具どころか何もなくなってしまいました。街の魅力も薄くなってきたというのが現実です。そこで、何か小さなことからスタートして、横への大きな広がりをつくりたいと考えて、都市養蜂を始めることにしました。

名古屋のど真ん中でとれるはちみつの味

まず、スタートは養蜂箱2箱分。およそ2万匹の西洋ミツバチを育てています。養蜂に関しては「あつたハニー」を指導されている名古屋学院大学の水野教授に協力を仰ぎ、はちみつの加工は、名古屋市の障がい者の方たちにも手伝っていただいています。
ミツバチは直線で2~3キロ半径が行動範囲だそうですので、三越の屋上からだと名城公園や鶴舞公園くらいまでは飛んで、さらに市内の街路樹(今だと百日紅)からも蜜を運んでいるようです。今年は20キロくらい蜜がとれる予定です。すでに味見をしたんですが、さっぱりとした味わいで、夢を感じさせてもらえる(笑)味でした。

デパートの屋上でもういちど子供たちに夢を

2023年9月27日から栄三越の350周年の大創業祭がはじまります(2023年9月放送当時、現在は終了しています)。「MITSUHACHIプロジェクト」のはちみつも、これにあわせて地下1階の食品フロアで販売をします。パッケージは名古屋学院大学の学生さんにデザインしてもらいました。50gで1000円とかなり高価ですが、応援の意味も含めて購入いただければうれしいです。
この夏、はちみつの採取と並行してカゴメ(株)さんと一緒にトマトの屋上栽培もはじめました。日光をたっぷり浴びた大きなトマトが収穫できました。苗植えも収穫も地元の園児たちに手伝ってもらい、食事会も開いたんですが、子どもたちにこうした一次産業の魅力も伝えられたらと思っています。もともとは、ここは子どもたちが夢を感じる場所でした。このトマトやはちみつを使ったカレーのレシピを次年度用にと考えています。またこれらの食材を使う子ども食堂を都市部(商業地区)に作ってもいいんじゃないかとも考えています。令和の子どもたちが、栄三越の屋上で「楽しい思い出」を作り、栄の街を活性化していってもらえたらうれしいですね。

取材先

オリエンタルビル株式会社 常務取締役 平松 正光さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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