2024.05.21

一般社団法人Go Green Japan理事 山田 欣也さんのSDGs

使い捨てカイロで水をきれいに

今や冬の生活に欠かせない「使い捨てカイロ」。いいえ、実は「使い捨て」ではありません。カイロの中身を再利用して、水を浄化することができるそうなんです。
この活動を行っている一般社団法人Go Green Japan(愛知県大治町)の理事、山田 欣也さんにお話をうかがいました。

使い捨てカイロの主原料・鉄粉を利用

鉄粉を再利用して、キューブ上に固めたGo Green Cube

使い捨てカイロの主原料は鉄粉です。これまで使用後は廃棄されていましたが、この鉄粉に特殊な加工を施すことで、ヘドロを分解したり、農薬などで汚れた水をきれいにしたりすることができるということが、東京海洋大学の佐々木 剛教授の研究によって実証されました。具体的には、鉄イオン溶出体の粉と炭の粉をあわせて固形状にし、水に入れておくと二価鉄イオンという鉄イオンが発生。この二価鉄イオンの働きで、ヘドロを分解したり、悪臭を除去したり、光合成が活性化されたり(水中の生態系が安定)、赤潮の発生を防ぐことができたりするんです。土の中でも効果があり、土壌の酸化防止や土の中の微生物を活性化させたり、作物の収穫量を増加させたりすることが分かっています。

日本中はもちろん世界中の水をきれいに

山田 欣也さん

この活動は2018年、大阪でコンビニを経営していた山下 崇さんが、「Go Green Group」を立ち上げて事業化されたのがはじまりです。大阪の中高生たちに問題意識をもって参加してもらううちに、協賛する企業なども増え、少しずつ全国に活動がひろがっていきました。私たちも山下さんの活動に感銘をうけ、何かお手伝いできればと、2022年に一般社団法人Go Green Japanを設立。「使い捨てカイロ」をリサイクルし、水質浄化剤や土壌改良剤を加工製造しています。全国から愛知県大治町のGo Green Japanの倉庫にお送りいただく使い捨てカイロは1年間で70トン以上、1万件以上になります。
現在、大阪府羽曳野市の世界文化遺産である墓山古墳の堀の水の浄化活動を毎月定期的に行っていますが、明らかに水の透明度が変わり、COD(水の汚れの度合いの指標)も良好な結果を得られています。愛知県名古屋市の堀川の水質改善プロジェクトや東京湾など(いずれも東京海洋大の佐々木教授の取り組み)でも使われています。今後は名古屋城や東山動植物園、ジブリの森などのご当地での使用、さらに沖縄のアマモの再生プロジェクト……。日本以外にも汚れた水がありそうな場所なら、どこにでも行って環境改善ができればと思っています。

使い捨てカイロの送り方

使い終わったカイロでも、まだ発熱する場合があります。まずは、まとめてビニール袋に入れ、空気を軽く抜いて口をしばっておくとそれ以上発熱することはなくなります。必ず口を縛っていただき、段ボールなどで梱包してください。貼るタイプ、目に当てるタイプなど、中の材料が炭と鉄でできているものなら種類や大きさに関係なく回収OK。1個単位から送っていただけます。期限切れや使わなかったものなどでも大丈夫です。

宛先は〒490-1143 愛知県海部郡大治町砂子長田1178-2 「Go Green Japan」 までよろしくお願いします。(送料は、お送りいただく方の負担になります)

取材先

一般社団法人Go Green Japan理事 山田 欣也さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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