2024.06.25

株式会社RIN 代表 フラワーサイクリスト 河島 春佳さんのSDGs

廃棄される花をアップサイクル

2024.06.25

まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品、いわゆる「フードロス」問題はよく知られていますが、実は花などの植物の場合も、そんな「ロス」が大きな課題になっています。そんな大量に廃棄される花をアップサイクルする活動を行っている、フラワーサイクリストで、株式会社RIN 代表の河島 春佳さんにお話をうかがいました。

フラワーサイクリストって?

X’mas フローラルナナちゃん(名古屋)

フラワーサイクリストとは、アップサイクルとお花をかけあわせた私の造語です。生花店や式場などで短い役目を終えてしまった花たちは、まだ美しいうちに捨てられていました。また、野菜などと同じく、花が小さかったり、枝が短かったりする「規格外」の花も同様です。それらを「ロスフラワー」と名付けて生花店や生産農家から買い取り、ドライフラワーにしてアレンジしたり、店舗やイベントのディスプレイの装飾などに使ったりして、花の命をよみがえらせ、長く楽しむ事業を行っています。
関東地方では、ユニクロや資生堂、六本木ヒルズの装飾などをロスフラワーで手がけました。東海地方では、2020年12月に「X’mas フローラルナナちゃん」ということでクリスマスのナナちゃんのドレスを担当しました。この時はスカートの部分に3000本以上のロスフラワーを使いました。

「ロスフラワー」活動のきっかけは

河島 春佳さん

ドライフラワーの作家として、花屋でアルバイトをしているときです。クリスマスが終わった夜に、大量のギフト用のバラが廃棄されるのを見てショックをうけました。翌日にはすべて正月飾りにかわってしまうんです。わたしなら、ドライフラワーにして花束にしたり、リースにしたりできるのになんてもったいない!と感じたのが、きっかけでした。当時「フードロス」という言葉はあっても、花のロスってまだまだ注目されていなかったので、こうした花に「ロスフラワー」という名前をつけて、活動を始めました。イベントなどで装飾に使った生花も、捨てるのではなくアップサイクルできるような形で商品を作ってくれないか、という依頼も少しずつ増え、ロスフラワーを使った装飾なども手掛けるようになりました。

花のロスを減らし、花のある生活を文化に

フラワーサイクリストの養成講座も立ち上げました。花のアップサイクルという考え方がまだ世の中に浸透していなかったこともあり、講座を通して同じような考え方をもつ仲間を増やしたいと思ったからです。今、卒業生が全国に200名以上います。ロスフラワーへの思いをもって、花の文化を広めていきたい、文化を広めた先に花で幸福をとどけたい、というとても熱心な方が多く、心強いです。また、全国の花の生産者ともつながり、花づくりの現場を見学するツアーなども行っています。花の茎だけ、頭だけを装飾で使うことも多々あります。花はこんな風に生かせるんだということを、生産者の方たちにも、知っていただきたいです。「花のロスを減らし、花のある生活を文化にすること」がわたしたちの一貫したテーマです。

取材先

株式会社RIN 代表 フラワーサイクリスト 河島 春佳さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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