


番組では月に一度、東山動植物園で飼育されている「絶滅危惧種」にスポットをあてて紹介しています。今月は、レッサーパンダ。
同園での飼育は39年ぶりということもあって、3年前の来園当時、大変な話題を呼びました。新たにレッサーパンダ舎もオープンし、現在は4頭が飼育展示されています。東山動植物園 飼育第一係 小林 瑛理子さんにお話をうかがいました。
まるこ・ずん・令・れいかの見分け方…

写真提供:名古屋市東山動植物園
「まるこ」(2018生まれ・メス)はとにかくよく寝ます。レッサーパンダ舎の室内すぐのところで爆睡している子がいたら、たいていまるこです(笑) 目のまわりの毛がグレージュなのが見た目の特徴。マイペースな性格で、気がむかないとリアクションしません。
「ずん」(2018年生まれ・オス)は、顔の輪郭が四角くて目が大きいのが特徴です。まること真逆で、とにかくよく動きまわります。怖がりの性格で、飼育員以外の人間がいたり、複数の人間の声がバックヤードからしたりするだけで警戒して固まってしまうことがあります。
「令」(2019年生まれ・オス)は、毛色が全体的に白っぽくて顔が丸いのが特徴です。すごく活発で、大胆不敵なところがあります。怖いもの知らずなので、物を壊したりするのは、たいてい令です(笑)
「れいか」(2019年生まれ・メス)は、毛色がすごく濃くてはっきりしているのが特徴です。レッサーパンダは目の上に白い部分があるんですが、れいかはそこが縦長で、きりっとしたクールビューティ。性格は慎重ですが、臆病なのではなく、自分なりによく考えて行動する頭のよさが伝わってきます。飼育員の指示も理解して動いているなと感じますね。
野生では20年間で半数に激減

小林 瑛理子さん (写真提供:名古屋市東山動植物園)
野生では、中国やミャンマーあたりの山の中(標高1500~4800m)で生活しています。森林の竹をメインで食べていますが、他にも木の実やタケノコ、昆虫、小動物なども餌にしています。標高が高く寒い場所で暮らしているので、毛の密度が濃くてモフモフなのはそのためです。四肢の裏までびっしりと毛が生えていて、雪の積もったところでは、滑り止めの役目もしています。
森林伐採による生息地の減少や分断、人間が持ち込んだ家畜や犬などからの伝染病などが原因で、絶滅が危惧されています。中国では20世紀後半におよそ40%も減少し、現在3000~7000頭くらいしかいないんじゃないかという説もあります。また、この20年で半数に減少したともいわれています。
レッドパンダネットワークというアメリカの団体を中心に、現地での生息実態調査や森林再生のための植樹活動などを通して、保護活動が行われています。
世界のシセンレッサーパンダの7割以上が日本に

写真提供:名古屋市東山動植物園
シセンレッサーパンダとネパールレッサーパンダの2種がいますが、日本では、シセンレッサーパンダが、249頭・61園館、ネパールレッサーパンダが10頭・1園で飼育されています。シセンレッサーパンダの国際登録数は350頭なので、世界の7割以上が日本で飼育されていることになります。日本の動物園での繁殖は重要なんです。
東山は、シセンレッサーパンダの飼育になりますが、まるこ×ずん れいか×令と2組のペアで現在(2024年2月時点)繁殖をめざして同居させています。発情がはじまるときゅるきゅるとかわいい声でよく鳴くようになります。もしペアリングが成功すれば、夏ごろに赤ちゃんが望めるかも…というところですね。
施設名:名古屋市東山動植物園
所在地:〒464-0804 愛知県名古屋市千種区東山元町3-70
電話:052-782-2111
公式サイト:www.higashiyama.city.nagoya.jp
Youtubeチャンネル:www.youtube.com/user/HigashiyamaPark
開園時間:9:00~16:50(入園は16:30まで)
休園日:月曜日(祝日の場合は直後の平日)、12/29~1/1
東山動植物園 飼育第一係 小林 瑛理子さん


この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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