2024.06.28

株式会社IKUSA あそび防災プロジェクトリーダー・防災士 五十里 航さんのSDGs

あそび防災プロジェクト

2024.06.28

新年早々の、能登半島地震。改めて、災害は時を選んではくれないのだということを痛感させられました。
そんな「いざ」に備える防災の知恵や知識を、堅苦しくなく楽しく伝えたいと活動しているプロジェクトがあります。それが、「あそび防災プロジェクト」。
プロジェクトを運営している「株式会社IKUSA」のあそび防災プロジェクトリーダーで、防災士でもある五十里 航さんにお話をうかがいます。

あそび×防災 で楽しく学ぶ

「遊び」という老若男女誰でも参加しやすく、行きたくなるような「体験」を通じて、防災にあまり興味がない人にも、まずは防災を知ってもらう、考えるきっかけをつくるのが、「あそび防災プロジェクト」の一番の目的です。
阪神淡路大震災以降、災害に備えて自分で生き残るための知恵(自助)、他人を助ける知識・スキル(共助)の育成が重要とされています。しかし、地域の方たちが避難訓練を計画しても、参加してくれる方は一定数しかいない、商業施設で防災のための訓練や周知をしたくても、そういった仕組みがなかなか整っていない、という悩み相談をうけることがありました。そこで株式会社IKUSAが持っている「遊び」のスキルを使ったら、楽しいものができるんじゃないか、防災をもっと身近に感じてもらえるんじゃないか、というのがプロジェクト開発の背景です。

防災を体験型のエンタメに

防災借り物競争の様子

ターゲットにあわせてさまざまな「あそび」を工夫しています。
企業向けには、リクリエーションやチームビルディングに加えて、防災について何か学べることをプラスし、より実践的な防災訓練を。例えば、実際に水消火器を使って、的にちゃんと当てられるかどうかゲーム形式にしたり、心肺蘇生や応急措置を障害物リレーとしてリレー形式でやってみたり。
自治体向けは、基本的に親子で参加できるものにしています。親子でお祭りやイベントに来たときに、そこで防災について学べるようなしかけです。例えば、「新聞紙で防災スリッパをつくって、がれきに見立てたイボイボロードを歩いてみよう!」と、裸足で逃げるのは危ないことや、もし靴がなかったらこんな手段もあるんだということを伝えています。また、避難所にもっていくものを題材にクイズを楽しんだり、防災を取り入れた防災運動会を開いたり。
子どもだけの遊びかと思ったら、親も一緒に防災について学べてよかった、家へ帰って家族で防災について話し合うきっかけになった、など参加した方からうれしい反響をいただいています。

250件以上の防災イベントをプロデュース

五十里 航さん

2018年の発足から、これまで250件以上の防災イベントをプロデュースしてきました。ベーシックなプランとして、10時から15時くらいまで1日遊べ、ワークショップを楽しんで帰るといった自由参加型のお祭り形式のものを用意していますが、ターゲットや場所、時間などさまざまな条件にあわせて、オリジナルのプランのご相談も可能です。スポットで1時間だけ、あるいは2日間連続で開催したい、また、ワークショップの内容を地域にあわせたもの(海沿い・山間部)にしたいなど、いろいろバリエーションも考えられます。
今後はコンテンツの充実はもちろんですが、一人でも多くの人が防災の知識と体験に触れられるよう、あそびと防災を掛け合わせるという、このスタイルの認知度をもっとひろめていきたいです。

取材先

株式会社IKUSA あそび防災プロジェクトリーダー・防災士 五十里 航さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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