2024.08.09

NPO法人ベジプロジェクトジャパン 代表理事 川野 陽子(はるこ)さんのSDGs

「代替食品」から見えるSDGs

2024.08.09

肉や乳製品など、本来は動物性の食品を植物由来の原料で置き換えた「代替食品」。
以前からあった大豆ミートだけでなく、こんにゃくで作ったマグロやイカなど、さまざまな商品が新たに登場しています。ベジタリアンや、完全菜食主義のヴィーガン向けだけではない代替食品の背景を、NPO法人ベジプロジェクトジャパン 代表理事の川野 陽子(はるこ)さんにうかがいました。

こんにゃくでつくったマグロも登場

マグロ、サーモン、イカの代替食品

大豆で作ったお肉や、それらを使ったカレーやハンバーグなどは、一般的なスーパーや外食チェーン店などのメニューでも目にすることが多くなりました。また冷凍食品でも、ヴィーガンのパスタソースやキーマカレー、クリームシチューなど「ないメニューはない」というくらい増えました。最近では、お肉だけでなくシーフードの代替食品も登場。マグロやサーモン、イカが、こんにゃくやタピオカなどを素材に作られています。私自身、ここ10年ほどお刺身などを食べていないので、味について正確には言えませんが、一緒に試食をしたヴィーガンではない方たちも「言われなかったら気にならない」とおっしゃっていました。また、日本は出汁(だし)文化ですが、食品メーカーからも動物性原料不使用の出汁が開発、販売されています。

インバウンド向けからサスティナブルな視点へ

「ベジプロジェクトジャパン」では、ベジタリアンやヴィーガン向け食品の認証も行っており、これまで認証した商品だけでも1200以上(2024年4月時点)。ここ数年、その数は増え続けています。もともとインバウンド、外国の方たちへの対応として代替食品が注目されてきましたが、最近では、日本人の中でもサスティナブルな暮らしへの志向から、代替食品への注目が集まっていると感じています。毎日のように新しい企業や事業者の方からヴィーガンについての問い合わせや、植物性由来の商品開発について相談があります。ヴィーガンマークの認証もしているのですが、ひと目で動物性のものが入っていない、ということが分かりやすいのはもちろん、ヴィーガンに対して少し構えてしまう人もポップなマークがあれば、気軽に手にとってもらえるのではないかと考えています。

代替食品は、食品の選択肢を増やす

川野 陽子さん

動物性の食品の摂取を少なくするということは、水のこと土地のこと、飢餓をなくそうということなど、SDGsの10の目標にも当てはまる取り組みです。気候変動にも無関係ではありません。温室効果ガスを一番排出しているのが、家畜産業だともいわれているからです。アフリカで飢餓に苦しむ人たちに寄付をするのもひとつの関わり方ですが、毎日の食事の中で動物由来のものを少し控えるだけでも、影響はあります。代替食品をベジタリアンや、ヴィーガンの人のための「特別な食べ物」としてではなく、「食品の選択肢が新しく増えた」と考えて、「今日はこのお魚を代替食に変えてみようかな」といった取り入れ方をしてもらえたら、うれしいですね。

取材先

NPO法人ベジプロジェクトジャパン 代表理事 川野 陽子(はるこ)さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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