SDGsの観点から、植物由来のレザーが注目されています。今年(2024年)の2月、パイナップルの葉を主な原料にしたレザーを使ったランドセル「パイナセル」を発売開始した、株式会社セイバンの広報担当 松井 満和子さんにお話をうかがいました。
パイナップルの葉からレザーができる?
「パイナセル」は、パイナップルを収穫する際に廃棄していた葉から繊維を取り出して、水溶性の無溶剤ポリウレタンを混ぜ合わせて加工した「パイナップルレザー」を使っています。スエードのような手触りと見た目は、なかなか人工皮革には出せない風合いで、軽いのも特徴です。
グリーンの他に、ベージュ、グレーといった、ナチュラルカラーを用意しました。いずれも有機顔料を使わずに色出しを行っていますので、パイナップルレザーならではの独特の色と風合いを楽しんでいただけると思います。パイナップルを連想させるような、ナチュラルな色合いとデザインを意識し、パイナップルのチャームなどもついています。
どうしてパイナップルだったのか?
パイナップルは、一度実がなった茎はもう実がならないため、収穫時に実と一緒に葉もすべて刈り取られます。その際に、実以外は廃棄されていたんです。そこで、その葉を利用できないかと考えました。ヴィーガンレザーの材料として、他にもリンゴや竹、サボテン、卵の殻など、さまざまな可能性を試しました。ランドセルは6年間毎日使用してもらうのが前提です。この耐久性という点から、パイナップルレザーが最適でした。
環境に配慮したものづくりということはもちろんですが、毎年パイナップルは収穫されるので、パイナップルの葉が安定供給されるということも、パイナップルレザーを選んだ理由のひとつですね。
パイナセルをきっかけに子どもたちの視野を広げて
パイナップルという身近で意外なものからできた素材であるということをきっかけに、「どうして廃棄する素材を活用しているんだろう?」「パイナップルがどうやってレザーになるのかな?」「パイナップルの香りがするのかな?」「他にもレザーになる植物ってあるのかな?」といった、さまざまな角度から子どもたちが視野を広げて、いろいろなことに好奇心と創造力を持ってもらいたいと考えました。
今年(2024年)の2月1日から、セイバンの直営店やホームページなどを通じて販売しています。独特の質感が気に入った、高級感とナチュラルな雰囲気どちらも感じられるといった声が届いています。同じ素材で大人向けのトートバッグも作っていますので、親子コーデも楽しんでいただけたらと思います。
株式会社セイバン 広報担当 松井 満和子さん
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「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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