2025.01.07

「ハンガー・フリー・ワールド」ボランティア フードシステム変革推進チーム所属 馬場 かれんさんのSDGs

ハンガー・フリー・ワールド (2)

10月16日の「世界食料デー」にちなんで10月は世界食料デー月間。先週は、世界の飢餓の解決をめざし活動をつづける「ハンガー・フリー・ワールド」の方に、世界の食料問題の現状や活動内容についてうかがいました。
今週は、ハンガー・フリー・ワールドで昨年からボランティアで活動に参加しており、名古屋大学院生でもある 馬場 かれんさんにお話をうかがいます。

食料問題をより多くの人が自分事として考えるきっかけを

馬場 かれんさん(グローバルフェスタ2024出展の様子)

わたしがハンガー・フリー・ワールドで参加しているボランティアは、フードシステム変革推進チーム(通称FSチーム)。「フードシステム」とは、食料の生産から流通、消費までの一連の流れや食品産業同士の相互作用を表す言葉で、私たちはこの日本のフードシステムに注目して、より多くの人が食料問題を自分事として考えるきっかけをつくったり、食料問題に取り組む企業や団体をつなげて相乗効果を生み出せるよう、社会に働きかけたりする活動をしています。チームは2022年からスタートしており、メンバーは現在7名、大学生が基本で、高校生も1名参加しています。
活動は大きく分けて3つ。一つ目に、イベントへの出展や企業へのインタビューを通して人々の食にまつわる課題の聞き取り調査を行い、二つ目に、集めた課題のつながりを分析して、重点的に取り組むべきポイントを見つけ出し、三つ目に、それをもとに企業や団体への提案へとつなげたり、SNSへの発信を行ったりしています。

ボランティア参加の原点は中学生の時に見た報道写真

ボランティアへの参加は昨年からです。以前から食料問題に関して興味はありました。もともと大学で食生活と脳神経機能の研究をしているんですが、わたしたちの生活により身近な問題を学びたいという心境の変化があって、食料問題についていろいろ調べているときに、ハンガー・フリー・ワールドに出会って、学生ボランティアの活動を知り、応募しました。
中学3年生のとき、社会の授業でハゲワシが餓死寸前の少女を狙っている「ハゲワシと少女」(1994年ケビン・カーター撮影)という写真を見て、衝撃をうけました。飢餓と食料問題に興味を持つようになったのはそこからです。高校生のときは、摸擬国連(国連大使になりきって議論や交渉をする活動)の大会に参加もしました。

ボランティア参加で日常の視点にも変化

アフリカ・ベナン共和国での栄養改善活動の様子

ボランティアに参加する以前は、食料問題の解決は、農業技術や品種改良とか技術方面へ意識がとても偏っていたんですが、参加してみると、日本の食料システムと飢餓が一直線でつながっているわけではなく、複合的な要因が複雑に絡まり合っているということを学びました。そこから貿易、環境、先進国のフードロスなどさまざまなアプローチができること、またそのすべてのアプローチが大切だということを実感しました。
自分の日常生活でも、コンビニのフードドライブやスタバのコーヒー豆の生産地に関心をもつなど、自分の中での意識の変化がありました。食料問題を「自分事」として考えるようになりました。チームのメンバーの議論も活発で、雰囲気もとてもいいんです。昨年のメンバーの活動があったからこそいまのFSチームの活動があると実感しています。これからはこの土台を盤石にしてさらに発信し、より活動の幅をひろげて次につなげていきたいと思っています。

取材先

「ハンガー・フリー・ワールド」ボランティア フードシステム変革推進チーム所属 馬場 かれんさん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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