2025.05.08

新栄1子ども食堂 発起人代表 安田 光信さんのSDGs

広がる子ども食堂の役割

2025.05.08

「新栄1子ども食堂」は、名古屋の新栄一丁目のライブハウス クローバーハウスを利用して、毎月第1水曜日と第3水曜日の月2回、午後4時から8時まで開催されています。2022年8月にスタートして間もない頃、番組では発起人の1人である安田 光信さんに活動のきっかけや想いをうかがいました。
オープンから2年半。子ども食堂は定着しながら少しずつ変化してきているようです。
※2022年12月6日放送「新栄1子ども食堂」の記事はこちら

オープンから2年半 今では200人近くが利用

40年以上この町で飲食店を営み、「何か町に恩返しがしたい」と考えたことが、子ども食堂立ち上げのきっかけでした。地元で長くコンサートなどを企画運営している「サンデーフォークプロモーション」が、ライブハウス「クローバーハウス」を無償で提供してくれたことで実現しました。
オープンから2年半がたち、月2回の開催を重ねて、1月までで59回を数えました。最初は私たちの知り合い30人ほどだった利用者が、今は200人近くになりました。
ライブハウスという場所を有効利用し、人形劇や小さなコンサートなどイベントも行っています。ボランティアも最初の頃は5~6人だったんですが、今は在籍だけで18人ほど。フルタイムの方のほかに、30分だけ、1時間だけという方もいます。やれるときに手伝ってくださいというスタイルです。

トワイライトの子どもたちから親御さんたちまで

オープン当初は何から手をつけたらいいか分からなかったんですが、民生委員をされていた町内会長が、いろいろなところに声をかけてくれました。その中に小学校のトワイライトスクール(夕方6時まで小学校を開放して子どもを預かってくれるシステム)があり、今は、新栄小学校、千早小学校、東桜小学校の子どもたちがトワイライトのあとに来てくれています。子どもたちだけでも150人くらいになります。
食料の支援に関しては、サンデーフォークが間に入ってくれて、味の素の「アジパンダ食堂」(フードロス対象商品を販売し、その売り上げを子ども食堂の運営資金にあてる事業)と提携ができました。基本的には地域密着型ですが、中には噂を聞いて「行ってみたい」と来てくださる方や、もっと驚くのは「昔、新栄にいた。懐かしい」と足を運んでくださる方もいます。新栄という町は、韓国、中国、フィリピンなどのお店が多く、親御さんが飲食店を営んでいることもあって、子どもたちは多国籍です。千早小学校と新栄小学校は半分~3分の2が外国籍のお子さんです。最近は、お子さんに連れられて親御さんも一緒に来ていただけるようになりました。月に2回の子ども食堂を楽しみにしてくれています。

「いざ」というときに頼れる場所に

安田 光信さん

私たちの目的はもちろん「食の支援」ということもあるんですが、「地域の災害」などの折に頼りにしてほしいということもあるんです。子どもってなかなか知らない人には頼れませんよね。でも、私たちとはこれでもう、2年以上つきあっている顔見知りです。今では表で会うと「おう」って、気軽に声をかけてます。「何かあったらここへ来いよ」と言える場所になったらと思っています。大人同士でも、そういう場所が地域にあったら心強いですよね。
また、サンデーフォークが愛知県の豊根村に名古屋ドーム1個分ほどの田畑を持っていて、そこで田植えをしたり野菜を育てたりしているんです。私たち子ども食堂も農業体験の参加をさせてもらっています。ここが子どもたちのおなかを満たすためだけの場所ではなく、高齢者の方もふくめ、困ったときに頼れる地域のコミュニティーになれればいいと思っています。

所在地:愛知県名古屋市中区新栄1-10-26 クローバーハウス2F(「新栄1子ども食堂」ののぼりが目印)
開催日時:毎月第1水曜日と第3水曜日の午後4時~8時

取材先

新栄1子ども食堂 発起人代表 安田 光信さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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