


人気のチョコレート菓子「ブラックサンダー」。ファンだという方も多いのではないでしょうか。このブラックサンダーを作っている有楽製菓が取り組んでいるのが、スマイルカカオプロジェクト。一体どんなプロジェクトなんでしょうか。
有楽製菓株式会社 経営品質部 牧 宏郎さんに詳しくお話をうかがいました。
児童労働問題に配慮されたカカオ原料への切り替え

おいしくて甘いチョコレートですが、その原料であるカカオ豆の生産現場では子どもが働く「児童労働」が存在し、社会問題になっています。
ILO(国際労働機関)とユニセフの報告によれば、世界には1億6千万人の児童が働いているといわれていて、これは5歳から17歳の子どもの10人に1人が働いている計算です。特にカカオ豆の生産があるサハラ砂漠以南のアフリカ地域ではその割合は4人に1人と多く、非常に深刻な問題です。
この事実に対して有楽製菓でも取り組みを行うべきだと、当社の代表からの発意で児童労働問題撲滅にむけた活動「スマイルカカオプロジェクト」をスタートさせました。このプロジェクトでは、児童労働に配慮したカカオ原料を使用することを決め、活動を行っています。当社がカカオ原料を購入する際に、プレミアム(支援金)を上乗せし、それを児童労働が発生しないよう管理する費用にあててもらっています。監視だけでなく、生産者への還元や生産性向上の支援、環境への配慮などさまざまな支援に活用されており、結果的に児童労働が不要となる環境づくりを目指しています。
作る人も食べる人も…一緒に笑顔になるように

2018年、当社の会長が児童兵に関する講演会に参加した際に、カカオ豆の生産の現場での児童労働の現状について知ったのが、プロジェクト立ち上げのきっかけです。子どもが親の手伝いをしている、という認識はあったものの、それが過酷な「労働」であることに衝撃をうけ、その場ですぐに、児童労働問題に専門的に取り組むNGO法人「ACE(エース)」さんをご紹介いただき、お話を聞いたそうです。
(「ACE」は、ガーナやインドで子どもたちを有害な児童労働から守り、教育を支援するとともに住民の自立を支援する活動を行っている非営利団体です。)「お菓子は人を笑顔にするものなのに、それが人の笑顔を搾取して作られていること」に違和感をもち、活動をスタートさせたと聞いています。
2024年すべての原料をスマイルカカオに切り替え達成

ブラックサンダーに使用されるカカオ原料は、2022年に全てこのスマイルカカオに切り替わっています。また2024年7月には、2025年目標だった当社が使用するカカオ原料すべての切り替えを達成しました。とはいえ、まだ多くの方にチョコレートの抱える社会課題を知っていただけていないことも、問題なのかなと感じています。実情を広く知っていただくにはどうしたらいいか、当社だけでなく、多くの企業・消費者のみなさんと一緒に解決していけたらと考えています。
スマイルカカオプロジェクトのオレンジ色のロゴマークには、子どもの笑顔が二つ重なっています。ひとつは生産者、そしてもうひとつは食べる人の笑顔です。この二つが一緒になっていることをぜひ意識してみていただけるとうれしいです。
有楽製菓株式会社 経営品質部 牧 宏郎さん


この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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