


日本の風呂敷は、ここ数年、エコロジーやおしゃれの観点からも見直されています。
そんな中、なんとバケツがわりに水を運べる風呂敷が登場。防災用にも注目を集めているそうなんです。「ながれ」というこの名前の風呂敷を開発したのは、群馬県の老舗メーカーである、朝倉染布株式会社。ネットショップ「ニッポンナガレ」の店長 木村 千春さんにお話を伺いました。
10リットルの水も運べてシャワーにもなる

超撥水風呂敷「ながれ」は、水泳のトップアスリートも着用する水着の撥水技術を採用した風呂敷です。白い生地を撥水の薬剤につけて、表裏両面で水をはじくことができるよう加工しています。洗濯をしてもこの撥水機能は落ちにくく、ハスの葉っぱの表面のように、水が玉になってころころ転がるような感じです。96センチ×96センチのサイズ(一般的な風呂敷より少し大きめ)のものですと、端を結んでバッグ状にすれば、およそ10リットル(バケツ1杯分)の水が運べます。さらにこの布は通気性もあるので、ぎゅっと絞るとシャワーのように水を降らすこともできます。普段使いしていただきやすいよう、カラフルで洋服にも合うデザインで製作。1892年創業の染布の老舗メーカーの技術をいかした伝統的な染めはもちろんですが、インクジェットプリンターを導入し、カラフルな色柄を実現させました。
その機能が、防災用途でも注目

実は、超撥水風呂敷「ながれ」は、もともと防災用に開発されたものではありません。
当社の特徴である撥水技術をいかして、お客様の生活を豊かにするような商品ができないかと生まれたのが風呂敷でした。水が汲めてシャワーのようにも使えるということで、注目され、防災用途としても最近は多くの引き合いをいただいています。風呂敷ですから、物を包んで運ぶのはもちろんですが、普段は「エコバッグ」の変わりにもしていただけますし、ハンドバッグやリュックなどの雨除けのカバーとしても使っていただけます。災害時には、バケツ、シャワーのほか、避難所などでプライバシーがなかなか守れないという時などに隣との間に広げて「しきり」としても使えます。さらに、けがをしたときの三角巾や止血帯などにも利用できます。
フッ素フリーの加工を目指して

木村 千春さん
風呂敷自体を販売し始めたのは、2006年から。当社の定番の柄などの他に、お客様のほうでノベルティーに採用していただいたものも含めると、現在までで40万枚ほど販売されています。デザイン性の高いものが多いので、テーブルクロスに使ったり、壁に飾ってインテリアにしているという方もいらっしゃいます。水をはじく加工をするのに、現在はフッ素系の薬剤を使っているんですが、今後は環境に配慮して「フッ素を使わない撥水」を目指して研究中です。これが実現すれば、当社の風呂敷もすべてフッ素フリーに切り替えていきたいと考えています。
朝倉染布株式会社 ネットショップ「ニッポンナガレ」店長 木村 千春さん


この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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