2025.10.21

秋田製麺所 広報担当 秋田 千晴さんのSDGs

きしめん素材でやさしい粘土

2025.10.21

なごや名物のひとつ、「きしめん」。その端材がなんと粘土に生まれ変わったそうなんです。その名も「やさしい秋田さんのきしめんど」。白玉だんごのようなぷにぷにとした手触りは、従来の粘土とは一味違います。
愛知県豊山町にある秋田製麺所の広報担当 秋田 千晴さんにスタジオにお越しいただき、誕生秘話など詳しくうかがいました。

きっかけはSDGsな小麦を使った巾広きしめん

巾広きしめん

もともと粘土がつくりたくて作ったわけではないんです。2~3年前、西尾市で除草剤を使わずに育てる「キヌアカリ」という小麦に出会いました。栽培方法自体がSDGsなうえに、とてもおいしいんです。この小麦をJA西三河さんと一緒に世界にPRしようと、通常のきしめんの2倍の幅をもつ「巾広(はばひろ)きしめん」を開発しました。しかし、薄くて幅が広いと通常のものより折れやすく、端材がたくさん出てしまうんですね。せっかくのSDGsな小麦を無駄にしてはもったいないと、この端材を有効活用する方法を考えていたところ、南山大学の学生団体「SDGs普及啓発団体 CLOVER」さんを紹介してもらったんです。

意外に大変だったきしめんからの粘土づくり

最初は「クッキーがいいんじゃないか」という提案だったんです。しかし、食べ物から食べ物ということだと、「残り物でつくるというのはクッキーに対して申し訳ないなあ」と。プライベートならもちろんいいんですが、商品として独り立ちさせることを考えると厳しいかなと思いました。他にもクレヨンとか、いろいろとアイデアは出たんですが、なかなか実現が難しく、最終的に「粘土」に行きつきました。しかし、そこからが結構大変でした(笑)。完成するまでには2年くらいかかりましたね。色付けは食品由来のものにこだわりました。一番大変だったのは、発生しやすいカビをどうやって抑えるかということでした。子どもたちが手にするものですから、安全玩具基準を満たすSTマークの取得にこだわり、試作と検査の繰り返しでした。
完成した頃には、スタートから一緒に企画を考えてくれた、当時1年生だった学生さんが「CLOVER」の代表になっておられるし、3年生だった方たちは卒業されていました。ああ、時間がかかったんだなあと、完成した時は感慨もひとしおでした。

商品名は「やさしい秋田さんのきしめんど」

秋田 千晴さん

粘土のネーミングは、南山大学の学生さんたちがつけてくださいました。「やさしい」には3つの意味が込められています。1つ目は天然素材なので「人」にやさしい、2つ目は端材を使っているので「環境」にやさしい、3つ目は西尾産の小麦を使っているので「地元」にもやさしい。そして…南山の学生さんたちの意見ですよ(笑)。この3つの中にもうひとつ隠れた「やさしい」があるそうで、「作っている秋田さんがやさしい」って言ってもらいました(照)
今年(2025年)の3月から弊社のオンラインショップや愛知県のアンテナショップで販売を開始しました。西尾市の憩の農園ファーマーズマーケットでは巾広きしめんと並んで置いていただいており、豊山町では巾広きしめんと合わせてふるさと納税の返礼品にもなっています。
きしめんどは南山大学の学生さんたちとの初めてのコラボ商品でもあり、南山高校や私たちの地元の小学校でワークショップを開いてくれたりしています。この粘土でバラの花束なんて作ってくれたりもしたんですよ。

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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