2025.12.02

NPOチームばんどり 房村 由里奈さんのSDGs

「森のようちえん」 パート1

幼いころに自然の中で多様な生き物に触れ合うことは、かけがえのない経験です。とはいえ、街の中の暮らしだけではなかなかそんな機会が少なくなっているのも現実。
子どもたちに「森となかよくなる」きっかけづくりとして、家族参加型のイベント「森のようちえん」などの活動を行っているNPOチームばんどりの房村 由里奈さんにスタジオにお越しいただき、お話をうかがいました。

「愛・地球博」での森の案内人を中心に結成

「チームばんどり」は、2005年に開催された「愛・地球博」の「里の自然学校」でガイドツアーを担当したインタープリター(自然解説員)や、森の案内人を中心に結成されました。万博が終わっても、メインテーマであった「自然の叡智」の理念を継承していくのが大きな目的です。私は当時の森の調査など自然にかかわっていたことや、子どもや親子とかかわる保育の経験から、活動を推進しています。豊かな自然をもつ「海上(かいしょ)の森」などの自然の楽しさや心地よさを感じてもらいたい、好きになってもらいたい、そしてそのことが子どもや参加者の方々の心の癒しやはぐくみの場(サードプレイス)につながればという思いで活動しています。スタッフは、野外のプロや幼児・子どもとかかわるプロがそろっています。
年少から年長の子どもたちを対象に「森のようちえん」、そこを卒業した小学校1年生から3年生を対象に「森のたんけん隊」、そして小学生から大人をメインとした畑仕事や森の整備などを行う「森の開拓団」の活動を行っています。

森と仲良くなれる家族参加型のイベント

「森のようちえん」は幼少期に自然に触れ合うことの大切さを経験してもらえたら、自然の中でともに育ちあえたらという思いから活動しています。普段はなかなか自然にふれあうことが難しい方でも参加しやすいように、土日祝日のイベント型で行っています。「むささびっ子の森くらぶ」と題して、森や川などさまざまな自然の中で思い切り遊ぶことがメインです。自然の中を探検して生き物と触れ合ったり、できる子は「崖上り」をしたり、自然のものを使って自由に工作をしたり、自然の中での絵本の読み聞かせや、親子の触れ合い遊びなどもしています。読み聞かせは、夏には川遊びの本、梅雨時には雨を楽しむ本など、季節に準じて絵本も選ぶのですが、子どもたちは目をキラキラさせて耳を傾けてくれて、自然の中で特別な空間となっています。

サードプレイスとしての癒しの場にも

房村 由里奈さん

自然の中で、子どもたちがとっても生き生き楽しんでくれるのはもちろんなのですが、同伴のお父さん、お母さんたちの心も一緒にほぐれてくれているようです。普段は集団生活が苦手というお子さんの保護者の方から「今日、子どもがすごくいい表情をしている」と感想をうかがったこともありました。
森では楽しい生き物や多様な環境が迎えてくれますし、街の中では体験できないようなおもしろさに出会ったり、身体の動かし方を体験できたりします。心が開放されて、癒しの場「サードプレイス」のような場所にもなっているのだと思います。普段、保育士として親子にかかわっているスタッフも多いのですが、子育て支援の観点からも、心の癒しになり、ともに育ちあえる場所の大切さを感じています。そうした面からも、ただ森の知識を得るだけではなく、子どもたちや参加者の心の支えになるような活動もしていきたいと考えています。
「森のようちえん」はイベント型ではありますが、リピートしてくださるうちに、保護者同士が仲良くなったり、森の整備の会に保護者だけでも参加してくださったりと、広がりも生まれています。

次週は「森のようちえん」のプログラムについてお聞きします。

取材先

NPOチームばんどり 房村 由里奈さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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