2025.12.24

あいち国際女性映画祭 ディレクター 木全 純治さんのSDGs

「あいち国際女性映画祭2025」 パート1

2025.12.24

今年も「あいち国際女性映画祭2025」が、9月11日から15日までウィルあいちとミッドランドスクエアシネマで開催されます。世界各国・地域の活躍する女性監督による作品や、女性に注目した作品を集めた、国内唯一の国際女性映画祭。番組でも毎年ご紹介していますが、なんと今年で30年目を迎えます。
あいち国際女性映画祭のディレクター 木全 純治さんにスタジオにお越しいただき、見どころをうかがいました。
(イベントは終了しています)

フランス・韓国の女性映画祭との提携

木全 純治さん

今年の目玉はまず、世界で一番古い女性映画祭である、フランスの「クレテイユ国際女性映画祭」(1978年設立)との提携です。ずっと関係を結べないかなと考えておりまして、30回を記念してお声がけしたところ、快諾いただき大変うれしく思っています。さらに、韓国の「ソウル国際女性映画祭」との協力。こちらは、あいち国際女性映画祭スタートの翌年に設立されました。すでに2回提携上映をしており、今回で3度目です。
それぞれの映画祭から3本ずつ推薦していただき、我々で1本ずつ選びました。選んだ作品は、『ウォーター・サーフィス』(トルコ・2024)と『強くなるとき』(韓国・2024)。どちらも日本初公開の作品です。のちに知ったのですが、前者はクレテイユ国際女性映画祭で観客賞を受賞、後者は老舗の国際映画祭でグランプリを受賞しており、とてもよい作品を選べたと自負しています。どちらも監督が来場されるだけでなく、クレテイユ国際女性映画祭のディレクター、ソウル国際女性映画祭のプログラマーもお呼びし、今年の第30回は従来にない規模で開催します。

済州島の過去と現在を知るラインナップ

韓国 済州島は、新婚旅行でよくみなさんが行かれる人気の観光地ですが、哀しい過去が島に眠っています。『済州島四・三事件 ハラン』(2025)は、1948年4月3日に済州島で実際に起きた事件を題材にした作品です。南北の分断を危惧する島民の武装蜂起をきっかけに、政府の無差別な武装鎮圧で2万5千人以上の人が犠牲になりました。その中で幼い娘を守る母親を主人公に、済州島の女性の強さを描いています。日本初公開です。
一方、先ほどご紹介した『強くなるとき』は、KーPOPのアイドル競争で敗れた若者3人が済州島へ旅にでて…という現代の物語です。済州島の過去と現在を知るラインナップになっているので、ぜひ見比べてみてください。

女性監督の世界の先駆者たちにスポット

ずっとやりたかった企画「世界三か国の初めての女性監督特集」が今回実現しました。
1人目は、アリス・ギイ。フランスで100年前に世界初の劇映画監督となった女性です。無声映画時代から1000本くらい関わっているんですが、映画界が男性社会であるため、その名前が長い間、映画史から消されていたんです。そんな彼女の功績に光を当てたドキュメンタリー『映画はアリスから始まった』(アメリカ・2018)を上映します。
2人目は、坂根田 鶴子。日本初の女性監督なんですが、戦後は女性であることを理由に助監督にすらなれず、スクリプターとして生涯を終えました。彼女に迫るドキュメンタリー『日本初の女性映画監督 坂根田鶴子を追って』(2004)とともに、現存する唯一の彼女の作品『開拓の花嫁』(1943)を上映します。
そして3人目は韓国初の女性監督パク・ナムオク。彼女の作品『未亡人』(1955)は、今見てもなかなか見ごたえがありますが、「女性」ということでこれ一本で消えているんです。このように女性監督の先駆者たちにスポットを当てることで、現代の女性監督たちの立場がより明確になってくると思います。

ひきつづき次週も『あいち国際女性映画祭』のみどころをうかがいます。

取材先

あいち国際女性映画祭 ディレクター 木全 純治さん

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「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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