2026.01.20

東山動植物園 飼育第2グループ 小林 隆志さんのSDGs

ヤブイヌ

シリーズ:絶滅危惧種を考える

2026.01.20

番組では月に一度、東山動植物園で飼育されている「絶滅危惧種」にスポットをあてて紹介しています。
今月はヤブイヌ。ヤブイヌは、今後絶滅が危惧される「準絶滅危惧種」に指定されています。東山動植物園 飼育第2グループの小林 隆志さんにお話をうかがいました。

やぶの中を走り抜けるのに適した体型

写真提供:名古屋市東山動植物園

体長はおよそ60㎝、肩高は30~40㎝。しっぽの長さが13㎝、体重は6キロ程度。胴長、短足で、ダックスフントのイメージに近いですかね。この体型が、草の茂ったやぶの中を走り抜けるのに適しているのではないかなと思います。穴掘りが得意だといわれていますが、東山で飼育している個体は、「知らない」のか、「やらない」んですよね。
また、後ろ向きに前進するのと同じスピードで走るとも言われていますが、これも野生下でのことなのか、なかなかそういう姿を目にすることはないですね。それから足に水かきがあり、泳ぎは得意です。鳴き声は、犬のような「ワンワン」ではありません。「キューキュー」とか「キャンキャン」に近いかな。結構鳴く機会は多いので、ぜひ、動物園へ来てその耳で確かめてみてください。

過去12年間でその数は20~25%減少

写真提供:名古屋市東山動植物園

南米の湿地帯や水辺を好んで棲むといわわれています。基本は肉食。野生では、現地に棲むネズミの仲間のアグーチ、パカ、カピバラなどさまざまな動物を捕食しています。カピバラなどはヤブイヌに比べて身体が大きいですが、ヤブイヌは群れで彼らを襲って獲物にすると言われています。
IUCNによると、過去12年間(推定世代長4年)で20~25%の個体数の減少が推定されていることから、準絶滅危惧種に指定されています。数を減らしている原因としては、南米大陸での大規模プランテーション(農園)の開発等による生息地の喪失、密猟、飼い犬からうつされた病気などが考えられています。

東山動植物園はヤブイヌの飼育のパイオニア

小林 隆志さん (写真提供:名古屋市東山動植物園)

日本では、現在(2024年12月31日)7園館で13頭が飼育されています。実は東山動植物園は、国内の動物園では初めてヤブイヌを飼育展示し、また繁殖にも成功したという歴史があります。そんな中で、当時世界的にも知られていなかった、メスが逆立ちしてマーキングする行動を確認したという、ヤブイヌ飼育のパイオニアでもあるんです。
最近では、人気者の姉妹、あんこときなこがいましたが、2019年にきなこ、22年にあんこが亡くなりました。その後しばらくヤブイヌはいませんでした。昨年5月、神戸どうぶつ王国からオスのヒロマル(2022年1月30日生まれ)がやってきました。怖がりなところもありますが、すごく好奇心旺盛で、なぜか隣で飼育しているオオアリクイ(エミ)に興味津々で、よく覗いています(笑) 
ヤブイヌってあまりメジャーなイメージがないかもしれませんが、実際に目にするとその瞬間からファンになってくれる方が多いです。とても魅力的な動物だと思いますので、ぜひ、会いにいらしてください。繁殖に関しては、国内の動物園同士では血統的に難しくなってきました。海外からの導入も視野に入れていかないといけないのかもしれません。

施設名:名古屋市東山動植物園
所在地:〒464-0804 愛知県名古屋市千種区東山元町3-70
電話:052-782-2111
公式サイト:www.higashiyama.city.nagoya.jp
Youtubeチャンネル:www.youtube.com/user/HigashiyamaPark
開園時間:9:00~16:50(入園は16:30まで)
休園日:月曜日(祝日の場合は直後の平日)、12/29~1/1

取材先

東山動植物園 飼育第2グループ 小林 隆志さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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