2026.01.27

NPO法人 藤前干潟を守る会 岸 晃大さんのSDGs

「COP15で名古屋市が湿地都市認証を取得」 パート1

2026.01.27

今年7月、「ラムサール条約第15回締約国会議(COP15)」がジンバブエのヴィクトリアフォールズで開催され、名古屋市が、「湿地都市認証」の授与式に参加しました。
名古屋市からのメンバーの一人として会議に参加した、NPO法人 藤前干潟を守る会 岸 晃大(こうだい)さんにスタジオにお越しいただきお話を伺いました。

藤前干潟とラムサール条約

藤前干潟は伊勢湾の最北部、名古屋市の南西部を流れる庄内川、新川、日光川の河口部に広がるおよそ300haの干潟です。国内有数の渡り鳥の中継地で、年間を通して2万羽以上の水鳥が飛来し、およそ150種類の鳥類が観察されています。特に近年、数が減っているシギやチドリの仲間たちにとって、大切な休息地です。
彼らはシベリア、アラスカなどで繁殖し、冬はオーストラリアなどへ渡って越冬します。まさに地球規模の旅ですが、藤前干潟はその中継地としてとても重要で、彼らのエサとなるカニやゴカイが豊富で、彼らのレストランでもあるんです。名古屋市の中でも貴重な生物多様性のホットスポットです。
そんな藤前干潟がラムサール条約に登録されたのは、もう20年以上も前のこと。ラムサール条約の正式名称は『特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約』で、湿地の保全と賢明な利用を目的とした国際条約です。1971年にイランのラムサールという都市で開催された会議で採択されたことから、この名で呼ばれています。

名古屋市の環境行政の在り方を見直す象徴的な場所

岸 晃大さん

「湿地」というと、じめっとした暗い場所をイメージする方も多いかもしれませんが、ラムサール条約の定義では、干潟や河川、藻場、さらに人工的なダムや水田も湿地に含まれます。
1980年代、藤前干潟は、増え続ける名古屋市のごみの最終処分場として埋め立てられるという危機に直面しました。しかし、市民団体が立ち上がり反対運動をおこし、1999年に名古屋市は埋め立て計画を中止。ごみの分別と削減を呼びかける「ごみ非常事態宣言」を出したことで、藤前干潟は、名古屋市の環境行政の在り方を見直す象徴的な場所にもなりました。今ではゴミの分別は当たり前になっていますが、ここがあったからこそ、の「原点」でもありますね。こうしたことが契機となり、2002年11月「ラムサール条約」に登録されたんです。
2005年開催の「愛・地球博」が「環境」について考えるきっかけになり、さらに生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋市で開催されたのも、この藤前干潟の保全の歴史があったからです。

名古屋市が「湿地都市認証」を取得

湿地都市認証授与式

「保全されたから終わり」ではなく、藤前干潟ではゴミ拾い活動や保全のための話し合い、子どもたちの環境教育などが20年以上続けられてきました。それらが認められ、2025年7月にジンバブエのヴィクトリアフォールズで開催された「ラムサール条約第15回締約国会議(COP15)」で、名古屋市が新たに国際認証である「湿地都市認証」を取得しました。これは、ラムサール条約の決議に基づき、湿地の保全や管理、再生の地域住民の参加や普及啓発、環境教育などに関する国際基準を満たした自治体に対して認証される制度です。
ラムサール条約の中に「Wise Use(賢明な利用)」という目標があります。湿地は人の生活に近い分、都市のもつ力は大きいと思うので、そのパワーを保全にむけて湿地との共生を目指していこうというものです。これまで日本では、新潟市と鹿児島県の出水市が認証をうけています。

今回、認証授与式に参加するにあたって、名古屋市からNPO法人藤前干潟を守る会で活動しているユース世代のメンバーも参加しました。COP15のリポートを、次週(10月6日)の放送でご紹介します。

取材先

NPO法人 藤前干潟を守る会 岸 晃大さん

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