SDGsという言葉が当たり前になり、リサイクルやアップサイクルに取り組む企業も増えました。しかし、プラスチックひとつをとりあげてもそのリサイクル率は十分とはいえないようです。
そんな中、さまざまな企業とタッグを組んで廃棄するプラスチックの再資源化に挑戦しているのが、名古屋に本社を置く株式会社REMARE(リマーレ)。代表取締役の間瀬 雅介(ただすけ)さんにお話をうかがいます。
きっかけは海洋プラスチック
間瀬 雅介さん
「REMARE」のREはリサイクル、MAREはイタリア語の海からきています。もともと海洋プラスチックの再資源化を目指すところから事業がスタート。「海をきれいにする」という意味もこめて会社名をつけました。
実は、僕はもともと機関士と航海士をしていて南極海に行っていました。南極海って電波がないので、船の中にあるもので何かを作ったり直したりしていかなければならないんですね。鉄を溶かしたりするとエネルギーコストが非常に高くなってしまうんですが、プラスチックを使えば、コストを抑えて形状変化させられるので、資源が限られた世界では優れた素材なんです。フィリピン海洋沖を航行中に、海洋プラスチックの塊が浮遊しているのを見て、海洋汚染のことより先にモノづくりという観点で問題を解決できるんじゃないかなと思いついて会社を作ったんです。
拠点は、三重県の鳥羽市にあります。ここは、海流の影響で名古屋や四日市などの海洋ゴミが集まりやすい地形になっているんです。そこに工場を作ってモノづくりをすることでコストも抑えられます。今は、海洋プラスチックを内装建材などに生まれ変わらせています。
年間600万トンが焼却せざるを得ない現状
環境省発表のデータによると、日本において、漂着海洋プラスチックの重量比の6割が漁業関係の道具、あとは一般ごみが4割くらい。こうした海洋プラスチックを再生する場合、含まれている素材によって溶かす温度が異なるのが難点です。回収した時点では組成がわからないですし、それを一つ一つ調べるにはものすごく時間とコストがかかります。単一の素材ならリサイクルしやすいんですが、こうした「複合プラスチック」は一度世の中に流通してしまうと難しいです。
廃棄プラスチックを燃焼させ、その燃焼によって発生する熱を有効利用する「サーマルリサイクル」というリサイクル方法もあるんですが(材料そのものの回収、再利用は行われない)、そうせざるをえない廃棄プラスチックが、年間600万トンあると言われています。
目指すのはプラスチックのケミカルサイクル
REMARE×イトーキの取り組みにより制作されたアップサイクルスツール
そこで、僕たちはどんなプラスチックがきても固められるような技術を開発しました。株式会社イトーキさんと組んで、家具やデスクを作るときに出る廃棄物を使ってスツールを作ったり、漁業者の漁具を再資源化してホテルなどの内装や飲食店のカウンターなどを作ったりしています。
基本的にはまず、木材や石材の代替品となる「板材」を作り、それを切削加工という手法を用いていろんなプロダクトに作り変えます。板材に再生するのは、「いったん社会に貯蔵する」という概念からです。再生した板材を内装空間に使うことで、社会の中にかなり長期にわたって、プラスチックを焼却せずに貯めることができます。内装を切り替えるタイミングがきて素材を回収するとき、もう一度板材に再生することもできます。「ケミカルサイクル」と言って分子レベルに分解して、それをもう一度石油にもどして海運業界のエネルギーに落とし込むというサプライチェーンを構築することができれば、国内の資源自給率を向上させることも可能です。いずれはそんなインフラを作りたいなと思っています。
株式会社REMARE 代表取締役 間瀬 雅介さん
この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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