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ブラザーはプリンティング・アンド・ソリューションズ事業を主力事業として展開し、40以上の国と地域に生産拠点や販売・サービス拠点を置き、世界中にプリンターや複合機を提供しています。プリンターや複合機は、ベトナム、中国、フィリピンで生産され、世界各国に出荷されます。その道のりは、ときに数千キロに及ぶ長い旅。お客様の手元に届くその瞬間まで製品を守っているのが、外側の段ボールと内部の緩衝材からなる梱包材です。これらをより小さくすることで、資材を削減するとともに、パレットやコンテナへの積載量を増やし、輸送の効率を上げることでCO2の低減を図ろうと、梱包のダウンサイジングを目指しました。
日中共同プロジェクトで複合機の梱包削減へ
梱包材をただ小さくするだけでは、輸送中の衝撃から製品を守れません。十分な強度を保ちながら、可能な限りダウンサイジングする。それを可能にする新たなインクジェット複合機の開発に、中国と日本の技術者が共同で取り組みました。
“横”から“縦”へ発想の転換
梱包の素材・構造・置き方といった様々な角度から検討を重ね、落下テストなどの多くの実験と分析を繰り返しました。その結果、従来の社内常識を覆し、製品を横向きに置いて段ボールで包む「横置き」から、縦向きに立てて包む「縦置き」へ変更。これによって梱包材に求められる強度が軽減され、梱包材のサイズとともに梱包の接地面積が小さくなり、1パレット・1コンテナにより多くの製品を積載することが可能になりました。
広がる梱包削減の流れ
インクジェット複合機のプロジェクトで開発された「縦置き」梱包は、主力のモノレーザープリンターにも引き継がれます。中国を中心に、日本、ベトナムの3カ国の技術者で取り組み、レーザープリンターにおいてもHL-2270DW(2013年モデル)とHL-L2365DW(2014年モデル) を比べた場合、梱包の体積を5%削減。製品輸送時のCO2排出量を年間約550トン削減することに成功しました。
SDGs目標12「つくる責任つかう責任」には、持続可能な生産消費形態の確保を目指すなかで、“廃棄物の発生を、予防、削減、再生利用や再利用により大幅に減らす”ターゲット(12.5)があります。箱を開けると同時に廃棄物に変わってしまう梱包材のダウンサイジングは、家庭やオフィスの廃棄物の削減につながります。また、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」は気候変動とその影響を軽減するための緊急対策を求めており、コンパクトな輸送によって地球温暖化への影響が大きいCO2の発生を削減することで、気候変動の軽減に貢献します。
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