広がる名古屋の都市養蜂

銀座の銀座ミツバチプロジェクトと名古屋のマルハチ・プロジェクトが主催したイベントで、初めて都市養蜂に触れました。夏休みの自由研究にといった子ども向けのイベントに息子と参加したのがそもそものきっかけです。その時の講演で、ミツバチがこの世から消えてしまったら、私たちが食べている6～7割の食べ物は食べられなくなること（受粉ができなくなるなどの影響）を初めて知りました。実際に屋上で飼育しているミツバチたちのはちみつの試食もしたんですが、今まで食べてきた市販のはちみつとは違う、粘度と花の香りの高さに驚きました。そのはちみつの味に感動したことと、子どもたちが本当にきらきらしたまなざしでミツバチたちを眺める様子を見たことで、「将来的に、自分の会社の屋上でもこんなイベントができたら」と、都市養蜂に取り組んでみたいと考えたのがきっかけでした。積水ハウスでも環境に対する取り組みで何か面白い発案はないかと呼び掛けており、提案しやすい環境ではありました。

巣箱ひとつにおよそ1万匹のミツバチ。それを4箱。およそ4万匹の西洋ミツバチの飼育からスタートしました。社員を中心に部署を問わず、総勢30名ほどで作業をしています。これまで3回、採蜜（はちみつを採取すること）を行い、およそ20キロから30キロ近く採れました。みんな採れたてのはちみつを味見するのを楽しみにしていて、本当に笑顔で参加してくれています。
会社の屋上の緑化もきっかけのひとつだったんですが、ミツバチを飼うことになってから、ミツバチの好きな蜜源などを調べて、その樹や花に植え替えたりもしました。そうした樹木や花にミツバチがとまっているのを見ると、本当に癒されます。屋上に足を運ぶ社員も増えましたね。毎日観察していて気付くのは、今までこんなに多くの数の鳥が来ていたんだということ。明らかに、今までより鳥の種類や数が増えたなと感じています。屋上の小さな世界ですが、いろんな食物連鎖が見てとれると言うんでしょうか。ミツバチだけでなく、他の昆虫も増えた印象があります。こうした屋上の緑化を、他の企業にも伝えていけたらなと考えています。