今年は、第二次世界大戦の終結から80年。戦争を知らない世代へその記憶をどのように伝えていくかは、大きな課題になっています。名古屋市中区丸の内に、戦争に関する資料を展示している資料館があることをご存じでしょうか?
「愛知・名古屋 戦争に関する資料館」の学芸員 岡村 裕成(ひろあき)さんにスタジオにお越しいただき、お話をうかがいました。
愛知・名古屋 戦争に関する資料館
(上)資料館外観 (下)展示されている本物の爆弾
建物自体は、もともと昭和8年(1933)に著名な建築家 黒川 紀章氏の父、黒川 巳喜氏らによって設計されたレトロモダンなビル。名古屋の空襲を逃れた大変貴重な建造物でもあります。館内には、愛知県民もしくはゆかりのある方々から寄せられた戦争に関する実物資料をおよそ2万点収蔵。空襲で使われた焼夷弾の模型や、戦争中に動員された兵士の持ち物、民間人の戦時中の持ち物などもあります。
毎年、3月・7月・11月に展示の入れ替えを行っています。入口に展示されている爆弾は、平成7年に南警察署の工事現場から発見されたものです。こうした戦争の記憶を愛知県・名古屋市の方たちに観ていただくことによって、戦争の悲惨さや残酷さ、大変さなどを感じ、学びとっていただいて、次世代へつなげていくのが展示の大きな目的です。
2015年に開館し、今年で10周年を迎えました。先日リニューアルをしたばかりで、鳩をモチーフにした当館のロゴマークを入口にあしらい、入っていただきやすい工夫もしました。展示も新しくなりまして、「学童疎開」をテーマに、親元から離されて名古屋以外の町へ避難した子どもたちの疎開生活の企画展を行っています。入館は無料です。
「戦後80年平和シンポジウム」を開催
「戦争の記憶を通じて平和への想いを未来へつなげよう」というテーマで、8月2日(土)午後2時から4時、名古屋市の中区役所ホールで「戦後80年平和シンポジウム」が開催されます。第一部は、去年12月に話題になったノーベル平和賞を受賞された日本原水爆被害者団体協議会 代表理事の金本 弘さんにお越しいただき、講演を行います。テーマが「ノーヘル平和賞とこれから」ということで、ノーベル平和賞受賞にまつわるお話や被爆の体験談を交えて、平和への想いを語っていただきます。グローバルな視点からみた、貴重な経験になると思います。
(イベントは終了しています)
若い世代へ記憶をつなぎ平和と未来を考える
岡村 裕成さん
第二部は、地元である愛知に視点をしぼって、「愛知・名古屋における戦争と、これからの平和について」というテーマでパネルディスカッションを行います。
コーディネーターは、「愛知・名古屋 戦争に関する資料館」のアドバイザーでもある西形 久司さん。
パネリストとして、「戦争と平和の資料館 ピースあいち」の館長 宮原 大輔さん、第一部の講演をしていただいた金本 弘さん、そして「あとかたのまち」という名古屋空襲を題材にした漫画作品を描かれた、漫画家のおざわゆきさん、若い世代からの代表としてSKE48の鎌田 菜月さん、さらに学生パネリストとして東邦高等学校 平和実行委員会の生徒さんたちにも加わっていただきます。なごや平和の日(5月14日)が昨年制定されたんですが、この制定のきっかけの運動をつくったのが、東邦高校の生徒さんたちなんです。戦後80年、戦争を知らない世代がほとんどになりましたが、こうした機会にぜひ平和の大切さ、どうやったら未来へとつないでいけるのかを考えるきっかけにしていただけるとうれしいです。
愛知・名古屋 戦争に関する資料館 学芸員 岡村 裕成さん
この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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