ブラザーは2008年、岐阜県および郡上市と、郡上市内のスキー場跡地など計3カ所を「ブラザーの森 郡上」とする協定を締結して以来、地域の皆さんとともに森林の復元を目指した活動を実施してきました。
毎年、春と秋に行われる「植樹ツアー」には、ブラザーの従業員とその家族が参加し、苗木の植樹や、植樹した樹木の生長を促す活動を通じて、多様性に富んだ豊かな森の回復に貢献しています。
2024年4月13日、第28回となる植樹ツアーを開催。188人が参加し、コナラやカツラなど100本を植樹しました。 今回のツアーは、ブラザー従業員とその家族だけでなく、地域交流を目的に地元自治会の皆さんにも参加をしていただきました。また「植樹コース」、植樹した樹木の生長を調べる「調査コース」、雑草や、木に巻き付いたツルなどを取り除く「保育コース」に、ブラザーの森で生長している草花を観察する「自然観察コース」を新たに加えました。
新しく加わった自然観察コースの内容について紹介します。
自然観察コースは、自然共生サイト認定の際コンサルに関わった 山口勉さん、白鳥町林生会 簑島源巳さん、名古屋工業大学 増田理子先生が、ガイドとして参加者を案内しました。
散策を始めてすぐ、自生している「こごみ」を見つけることができました。春先にスーパーで並ぶこごみは、アクがないため先端は生で食べられると説明を受け、参加者は恐る恐る口に運んでいました。その場で食べたこごみは、クセがなくほんのり甘みを感じましたが、子どもたちには少し苦手な味のようでした。
他にも、「カンアオイ」の仲間を発見しました。このカンアオイは、絶滅危惧種であるギフチョウが生息するために必要な植物です。ギフチョウは、カンアオイの葉に卵を産み付け、そしてふ化した幼虫は、この葉を食べて育ちます。今回は卵を確認できませんでしたが、とても小さな花が咲いていました。
また別の場所では、ギフチョウが羽を休めている姿を確認することができました。
ギフチョウは、年に1度、桜の咲く時期にだけあらわれ「春の女神」とも呼ばれています。しかし、生息環境の変化でその数は減り、現在では絶滅危惧種となっています。 ブラザーの森 郡上 白鳥エリアは、ブラザーが支援し森林全体の草刈りを定期的に行うことで草原としての環境が保たれ、ギフチョウなどの希少種も生息でき、生物多様性に優れた森づくりにつながっているそうです。
今年は例年と比べ、春の訪れが遅くなりましたが、ほかにも草花をみつけることができました。
片道約1kmを歩き、目的地の展望台に到着。参加者と記念撮影を行い、自然観察コースは無事終了となりました。
地元ボランティアや名古屋大学関係者から、ブラザーの森 郡上に自生する草花や、森林全体の生態系について説明をいただき、植物に実際に手で触れ、においや味を確かめるなど、五感を使った学びの場となりました。 参加者からは「自然に触れ合う良い機会になった」「専門的な視点から自然を観察できておもしろかった」などの感想が聞かれました。
今後も「ブラザーの森 郡上」では、生物多様性保全活動に取り組むとともに、持続可能な地域づくりにも貢献していきます。
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