ブラザーは2008年、岐阜県および郡上市と、郡上市内のスキー場跡地など計3カ所を「ブラザーの森 郡上」とする協定を締結し、森林の復元を目指して地域社会とともに活動してきました。今年2月にはその協定をさらに10年延長しています。毎年、春と秋に行われる「植樹ツアー」には、ブラザーの従業員とその家族が参加し、多様性に富んだ豊かな森の回復に貢献してきました。
2023年10月14日、第27回目となる植樹ツアーを開催。従業員とその家族などで過去最多となる約190人が参加し、200本を植樹しました。今回は「ブラザーの森 郡上」が環境省によって「自然共生サイト」に認定されたばかりのタイミングということもあり、複数社のテレビ局にも現地まで取材にお越しいただきました。今回も環境保全だけではなく、地域の方々との交流のための催しも行われました。
過去最多の参加人数となった今回、多くの参加者は通常より1台多い3台のバスに分乗して「ブラザーの森 郡上」に出発。現地で郡上市役所、郡上森林組合、名古屋大学の関係者や、地元の森林ボランティアと合流しました。開会式のあと、今回も「植樹」「保育」「調査」の3コースに分かれて活動を開始しました。
「植樹」コースでは今回、ミズナラ、ヤマハンノキ、クリ、ウワミズザクラの4種類、前回の3倍以上となる計200本の苗木が植樹されました。家族や同僚で協力して土を掘り、植えた苗に水をあげる姿があちこちで見られました。「保育」コースでは、過去に植樹した苗木の生育を促すため、絡みついた無数の細いつるを慎重にハサミで切りながら、丁寧に剥がす作業を実施しました。
「調査」コースでは、森づくりのコンサルティングを担う、名古屋大学大学院環境学研究科の高野教授らの監督のもと、過去に植樹した苗木の生育具合が観測されました。今回は人の背丈を遥かに超える木の高さを測定できる器具を持ち込み、植樹から10年以上経過した高木も計測しました。
植樹活動のあと、参加者は近隣にある「長良川の鮎」をテーマにした郡上市の施設「清流長良川あゆパーク」に立ち寄り、家族や職場などのグループに分かれ、名物である天然鮎の炭火焼きや、山菜入りのおにぎり、豚汁などで昼食をとりました。
昼食後は、郡上市の「白鳥拝殿踊り保存会」から踊り手の皆様をお招きし、伝統の「白鳥の拝殿踊り」を披露いただきました。拝殿踊りは江戸時代の中頃から踊られ、盆踊りの元祖ともいわれる伝統の踊りです。岐阜県の重要無形民俗文化財や、国選択無形民俗文化財に指定されています。最も古い「場所踊り」などいくつかの演目のあと、最後に披露された軽快で早いテンポの「エッサッサ(世栄)」では、植樹ツアーの参加者だけでなく、一般の観光客の方々も一緒に踊りの輪に入って踊り、郡上市の豊かな文化に触れる楽しいひと時を過ごしました。
「ブラザーの森 郡上」での長年の活動は、固有種であるギフチョウをはじめとした希少種など、森全体の生態系の回復につながっていることが観測されています。生物多様性保全は、「ブラザーグループ 環境ビジョン2050」の中でグループが取り組む重要課題の一つであり、「ブラザーの森 郡上」は、ブラザーグループにおけるその象徴的な拠点の一つとなっています。
今後も「ブラザーの森 郡上」では、産官学で連携した生物多様性保全活動に取り組むとともに、持続可能な地域づくりにも貢献していきます。
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