森での活動

白鳥町、美並町・八幡町の「ブラザーの森 郡上」で行われている、森づくりの活動について紹介します。

植樹による森林の復元や保全を目指す

白鳥町の活動内容

白鳥町では、スキー場の跡地で植樹による森林の復元や生態系の回復を目指しています。ただ木を植えるだけではなく、順調に育つように世話をしたり、生育状況を調べて次の植樹に活かしたりと、「植樹・保育・調査」を継続的に行っているのが特徴です。

植樹

そだてる

ミズナラ、ヤマハンノキ、ブナ、クリ、ウワミズザクラ、ケヤキ、カツラ等、地質・地形に合わせて苗木を植えています。生い茂る雑草に隠れたり、雪の重みで折れないように、ある程度背の高い苗を植えます。また、一度植樹をしたものの枯れてしまった場所には新たな苗木を植える「補植」も行っています。

保育

まもる

生育に悪影響を与えるツルや雑草を取り除きます。苗木はゆっくりと生長しますが、より生長の早い雑草がその周りを囲んでしまうと、苗木に日が当たらずに枯れてしまいます。
また、ツルが苗木に絡みつくことで、変形し風や雪により折れやすくなる原因となるため、定期的に木の周りの雑草を取り除き、絡みついたツルを剥がす作業が重要になります。

調査

しらべる

森づくりのコンサルティングを担う名古屋大学の先生や、学生らの指導のもと、植樹した苗1本1本に番号タグを取り付け、苗の太さと樹高を計測する追跡調査を行います。その生育具合から、そのエリアに最適な樹種の選定や植樹計画の検討を行います。

これまでに
植えた木々は26種類

一般的な植樹活動では、3~5種類程度の樹木を植えることが多いと言われています。郡上の森では、森をもとの多様性豊かな姿に戻そうと、各エリアの地質・地形の特徴に照らし合わせながら、広葉樹の高木から低木まで、様々な樹種を植えてきました。その数は26種類にものぼります。

森全体に
豊かな生態系が回復

植樹活動のために森林全体の草刈りを続け、環境を整えたことで、日本の固有種であるギフチョウなど里山を好む希少種がみられるようになり、森全体の生態系が回復してきました。

間伐による森林の復元や保全を目指す

美並町・八幡町の
活動内容

人工林である美並町・八幡町では、間伐による健全な森づくりを目指しています。間伐を支援することで、長良川源流に位置するこれらの森では、木々や植物が元気に育ち、多くの水を蓄えます。ブラザーでは間伐材を新社屋の一部の内装材に利用するなど、様々な用途で活用しようと検討しています。

間伐

まびく

美並町・八幡町の「ブラザーの森 郡上」は、木材の生産を目的とした人工林で、主にスギやヒノキなどの針葉樹が生えています。そこを間伐し、日の光が森の地面にまで当たるようにすることで、木々の生長が促進されるだけでなく、そこに様々な動植物が育ち、より多くの雨水を蓄えることができます。人の手で適正に管理することで、生物多様性が保たれた健全な森ができるのです。

利用

いかす

美並町で間伐したスギ材は、名古屋市瑞穂区に建設予定の新社屋の一部の内装材に使用したり、様々な用途で活用しする予定です。
CO₂削減に貢献していくとともに、環境コミュニケーションのきっかけ作りに役立てていきます。

ひとの手で
すこやかな森をつくる

美並町・八幡町では、木材の生産のために木が植えられてきましたが、森の管理が不足すれば、生長につれて木々の葉や枝が重なり、日の光を十分に受けられない暗い森になります。そうなれば木々や動植物の生育は阻害され、生物の多様性が保持できません。
また、木々や植物がしっかりと根を張ることで土砂崩れを防いだり、光合成が効率的に行われることでCO₂の吸収量が増えたりと、間伐は土砂災害の防止や環境の保全に大事な役割を果たしています。人の手が入ることで、すこやかな森が保たれます。

間伐の大事な役割

  • 草木の生長を促進し
    生態系を豊かにする

  • 光合成の効率を高め
    CO₂の吸収を増やす

  • 草木が根を張ることで
    土壌災害を防止する

  • 雨水の蒸発を減らし
    豊かな水源を育む

間伐を行う前

木が密集しているため、下の方まで日光が届いていない。

間伐を行ったあと

木と木の間に適度なスペースがあるため、下まで日光が届き、葉が生えている。

間伐材を活かして
ムダを減らす

健やかな森を作るために重要な作業である間伐。
伐採された間伐材もリサイクルの観点から利用の推進が図られています。
ブラザーでも間伐材を有効活用し、生物多様性に富んだ、持続可能な森林づくりの一助になりたいと思っています。

瑞穂工場における新社屋建設計画

ブラザーは、名古屋市瑞穂区にある瑞穗工場内に建設される新社屋の一部の内装材に、郡上で伐られた間伐材を利用する予定です。