2022.12.19

株式会社 豊和・取締役 山本 美代さんのSDGs

使い捨てしないアメニティ

  • #MiYO ORGANIC
  • #竹の歯ブラシ

2022年、4月から「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。
ホテルや旅館の部屋に備え付けのアメニティ。これまでは多くがプラスチック製の歯ブラシやクシを使い捨てにしていましたが、最近はフロントで必要な分だけを受け取るようにするなど、システムを見直すところも増えています。
しかし、その素材はまだプラスチック製が多いのも事実。そんな中、注目を集めているのがサスティナブルブランド「MiYO ORGANIC(ミヨ・オーガニック)」の竹でつくった歯ブラシ。「捨てずに持ちかえってもらうことが前提」というこの竹の歯ブラシを開発した 株式会社 豊和の取締役 山本 美代さんにお話を伺いました。

日本発・竹の歯ブラシ開発のきっかけ

もともとうちの会社は、おしぼりやプラスチックのコップやストローなど、消耗品といわれるものを飲食店などに卸す仕事をしてきました。

4年ほど前、札幌のホテルに出張した際、当たり前のようにプラスチックの歯ブラシを使っていてふと思ったんです。「この歯ブラシって夜一回使って、朝もう一度使って、それだけで捨ててしまうんだ」って。そのホテルは300室あったので「一日で300本がゴミになってるんだ。さらに世界中のホテルでこうやってゴミになることを考えたらとんでもない数になる!」と地球規模で想像をめぐらしショックを受けたのが、開発のきっかけです。最初は自分たちで作ろうという考えはなく、サスティナブルなアメニティを探して販売したいと思っていたんですが、2018年の時点では、ヨーロッパには竹の歯ブラシはあったものの、日本では思うものが見つかりませんでした。そこで「ないなら自分たちで作ろう!」という使命感(笑)に燃えてしまったんです。

竹を使うメリット

まずは竹の触感。触った時に自然のぬくもりを感じられることです。

土壌での分解については、バイオプラスチックなども注目されてはいましたが、分解のためには温度や地中のバクテリアの量など一定の条件が整わないといけないものも多く、分解の期間も長く必要になります。一方、竹は自然素材なので、もちろん土に還りますし、成育期間中にもCO2を吸収してくれるというメリットもあります。さらに竹は植物の中でも最も成長が早いので、資源として利用しやすく、枯渇しないということも、大きな利点だと思います。

開発のこだわり

竹で歯ブラシをつくろうと考えたときに、海外のものもいろいろ参考にしたんですが、ヘッドの部分が大きかったんです。日本人の歯並びや口腔サイズにあわせて、小ぶりなものを、歯科衛生士と一緒に研究しました。ブラシの硬さもふつうとやわらかめが選んでもらえるようにしました。

環境への配慮はもちろんですが、使っていて心地がよい、テンションがあがるものにしたくて、デザイナーと一緒にデザインにもこだわりました。

今年(2022年)の4月から歯ブラシだけでなく、「歯磨きペーパー」も販売しています。この紙を歯ブラシのヘッド部分に差し込んで、そのまま口に含めば唾液や水分に反応して泡立つしくみです。これがあれば、小さな歯磨き粉を入れるプラスチックのチューブゴミが出る心配はありません。今後は、こうしたアメニティを地元愛知県で作ることで地元産業の活性化や、廃棄される歯ブラシのアップサイクルなどについても取り組んでいきたいと考えています。

取材先

株式会社 豊和・取締役 山本 美代さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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