日本選手の活躍で注目度が高まっているパラスポーツ。しかし、その競技の内容や楽しみ方など、まだまだ知らないことはたくさんあります。もっとパラスポーツの魅力を知りたいと、先週(先週の記事はこちら)にひきつづき、視覚に障がいを持つ選手がプレーできるように考案されたサッカー「ブラインドサッカー」をピックアップ。特定非営利活動法人 日本ブラインドサッカー協会 広報コミュニケーション室 室長の宮島 大輔さんに、競技だけでなくさまざまな体験プログラムとして注目されているブラインドサッカーの可能性についてうかがいました。
ブラインドサッカーの歴史
©Haruo. /WanibeJBFA
「視覚障がい者のサッカー」という意味では、割と古く行われていたようですが、1980年代の初頭にヨーロッパで国際的なルールが統一されたといわれています。厳密にはわかりませんが、サッカーの文化が根付いている地域なので、視覚障がいがあってもサッカーを楽しみたいという気運が強かったのではと思います。日本にブラインドサッカーが入ってきたのは2001年です。日本選手権の第1回大会は4チームの参加でしたが、それから20年あまり。今は全国、北海道から沖縄まで30チーム以上が登録されています。競技人口も700人前後まで広がりました。パラリンピックの正式競技になったのは、2004年のアテネからですが、日本が初めて参加したのは2021年の東京パラリンピック。これは開催国枠でした。その後2024年のパリパラリンピックでは、自力で出場枠を獲得しました。男子日本代表は、現在世界ランキング第3位です。
ブラインドサッカーの特徴をいかした「スポ育」
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アイマスクをつけ、音の出るボールを使ってプレーするブラインドサッカーは、視覚に障がいがある人だけでなく、健常者も一緒にプレーすることがルールに盛り込まれています。その特徴を生かして競技以外のプログラムへも広がりをみせています。例えば、小学生向けに「スポ育」という名称でブラインドサッカーの体験授業を、また企業向けであれば、「オフタイムビズ」といった名称でブラインドサッカーを使った研修を通じて、普及活動をしています。「スポ育」は、選手1人とファシリテーター人の計2名でうかがいます。デモンストレーションで選手のすごさを感じてもらうのはもちろんですが、実際にアイマスクをして歩いてみたり、ボールを持って声のするほうに転がしてみたり。単に「こっちだよ」というだけより、その人の「名前」を呼ぶほうがより伝わる、といった「コミュニケーションの大切さ」を子どもたちに学んでもらっています。
相手の立場に立ったコミュニケーションへの気づき
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企業からのオファーで多いのは、新入社員の研修や部署のコミュニケーション向上を目的とした研修ですね。基本は、「スポ育」で行うような、デモンストレーションと体験のプログラムですが、日ごろおとなしい方が、このプログラムでは非常に声を出してリーダーシップを発揮される、といった新たな能力の発見につながることも。また「相手の立場に立ったコミュニケーションの重要性に気づかされた」という感想をよくいただきます。例えば、アイマスクをつけた方に、10メートル先の対面から自分のところへ歩いてきてもらうといったワークがあるんですが、その際「右に来て」と声をかけたとします。自分にとっての右は、相手にとっての左になりますよね。そうした当たり前だけれど忘れがちなことを、見えない相手と対峙することで、改めて実感するわけです。相手にどんな声をかけたらいいのか? 想像力をフル回転させて感覚を研ぎ澄ますことができるのも、ブラインドサッカーのプログラムの魅力だと思います。
2026年は、愛知でアジアパラ競技大会も開催されます。ぜひ多くの方から応援をいただけるよう、ブラインドサッカーの普及に努めていきたいです。
先週の記事(パート1)はこちら
特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会 広報コミュニケーション室 室長 宮島 大輔さん
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