2026.04.08

東山動植物園 飼育第二グループ 野村 勇治さんのSDGs

ボルネオテナガザル

シリーズ:絶滅危惧種を考える

2026.04.08

番組では月に一度、東山動植物園で飼育している「絶滅危惧種」にスポットをあてて紹介していますが、今月は、ボルネオテナガザルを取り上げます。東山動植物園 飼育第二グループ 野村 勇治さんにお話をうかがいました。

テナガザルのなかでも小型な種

画像提供:名古屋市東山動植物園

ボルネオ島の固有種で、テナガザルの仲間(生物分類が近い種)のなかでも小型です。身体の色は明るい灰色から褐色までさまざまで、眉に白い部分があるのが特徴です。他のテナガザルと同じく長い腕を持ち、しっぽはありません。オス、メスのペアとその子供たちの「家族」群で生活しています。早朝に大きい声でよく鳴き交わします。東山のテナガザルというと、フクロテナガザルの「ケイジ」の鳴き声がよく知られていますが、ケイジに比べると、もっと高い音で短く鳴きます。「ホッホッホッホッ……」って感じでしょうか(笑) 朝イチバンや午前中、人がいたりすると呼ぶような感じで鳴くことも多いですね。

10月24日は国際テナガザルの日

画像提供:名古屋市東山動植物園

野生では、ボルネオ島の森林地帯の木々の樹冠部(木の上部)から中層部に暮らし、昼間に活動しています。長い腕を利用して枝から枝に移動(ブラキエーション)して、果実、木の実、木の葉、時には昆虫などを食べています。プランテーション(大規模農園)のための森林伐採による生息地の減少や、道路建設などによる生息地の分断、生息地の劣化に加えて、ペット目的による密猟などによって生息数が減少しています。1990年から2019年で50%以上個体数が減少したという推定があり、現在、ボルネオテナガザルはワシントン条約にも記載されて保護されています。
また、「国際テナガザルの日」が10月24日に制定されていて、絶滅危惧種であるテナガザルとその仲間の現状や、保全、保護について考え、広く知ってもらう取り組みが行われています。

国内10頭のうち4頭が東山に!

野村 勇治さん(画像提供:名古屋市東山動植物園)

現在(2024年末)、国内6園館で10頭のボルネオテナガザルが飼育されています。そのうちの4頭が東山で暮らしています。最年長がメスのミューさん。敬意をこめて「さん」づけです(笑) 推定ですが40歳以上。人とのかかわりも長く多かったと思うので、いろいろこちらが勉強させられる(笑)仔です。人のことを本当によく見ているし、感情がよく声にあらわれます。そんなミューの子どもが2頭います。まず、ツバサ(メス、26歳)。まだ私は関わるようになって半年くらいなんですが、「こんな仔かな?」と思った次の日にはまた違う顔を見せてくれて、まだまだ性格把握は難しいです(笑) もう一頭はナオ(メス、22歳)。この仔は慎重な性格です。そしてその他の1頭として、コウキ(オス、24歳)。落ち着いていて性格も穏やかです。ボルネオテナガザルは室内観覧のみなのでガラス越しにはなりますが、鳴き声は聞こえてきます。耳をすませてもらうと、4頭それぞれの個性がわかるかもしれません。
実は、飯田市動物園(長野県)には、国内最高齢で60歳以上と言われているボルネオテナガザルがいるんです。ミューさんたちにもまだまだ頑張ってもらいたいです。

施設名:名古屋市東山動植物園
所在地:〒464-0804 愛知県名古屋市千種区東山元町3-70
電話:052-782-2111
公式サイト:www.higashiyama.city.nagoya.jp
Youtubeチャンネル:www.youtube.com/user/HigashiyamaPark
開園時間:9:00~16:50(入園は16:30まで)
休園日:月曜日(祝日の場合は直後の平日)、12/29~1/1

取材先

東山動植物園 飼育第二グループ 野村 勇治さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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