2024.02.02

有限会社古田化成 代表取締役 古田 伸享さんのSDGs

紙のテーブルウェア・ノガケル

2024.02.02

昨年の4月にプラスチックの資源循環を目指す新しい法律が施行され、プラスチックを紙に置き換える代替製品も多く開発されています。「Nogakel(ノガケル)」もそんな製品のひとつ。でも、これ、観ても触っても、とても「紙」には見えません。おまけにとってもスタイリッシュ。有限会社古田化成の代表取締役 古田 伸享さんにスタジオにお越しいただき、お話をうかがいました。

プラスチック部品メーカーが紙のテーブルウェアを

古田 伸享さん

弊社は岐阜県美濃市で創業50年になるプラスチックの自動車部品を作るメーカーです。近年「プラスチックは悪」というようなイメージが強く、悔しい思いもありました。そこで、これまでの技術を生かしてプラスチックの使用量を減らしながら、環境によい商品を開発できないかと考えたのがきっかけです。このテーブルウェアは、プラスチックとセルロースファイバーという木から取り出した繊維をまぜた材料からつくっています。セルロースファイバー重量比を55%にしたことでプラスチックの使用量が半分以下に。商品の分類としては「紙製品」として扱われ、燃えるゴミとして処分できます。
屋外で使うことを考慮して、簡単に風で飛んでしまわないように、ある程度の重さをもたせました。やわらかさと温かみを感じる触感にもこだわり、食洗器の使用もOKです。

Nogakel(ノガケル)は「野掛け」から

ネーミングは「野掛け」から発想しました。「野掛け」は、食べ物や飲み物をもって野山にでかけるという日本古来の習慣、今でいう「ピクニック」ですね。コロナ禍でみなさん窮屈な思いをたくさんされたと思います。この「Nogakel(ノガケル)」のアイテムを持って屋外にでかけて、家族、友人と楽しく食事をしてほしいという思いを込めました。色は6色。色名も「木綿」「猫柳」「山桜」「紫陽花」「紅葉」「公孫樹」と和名でつけました。やわらかくすこしトーンを落とした色合いが、青い空や新緑の中で使ったとき、自然の色と調和するようにとこだわりました。

あの美術館からも依頼が…

お皿を楕円形にしたのは、食器棚に収まりやすいように。また少し立ち上がりをつけてあるのは、カレーやタレなどがこぼれにくく食べやすいように。カップも径を大きく重心を低くして、飲み物をいれたときに転がりにくく、重ねても取り出しやすいように、などアウトドアでの使用を考えた実用的なデザインにこだわりました。
実は、海外の有名某美術館からオファーをいただき、夏からショップでの取り扱いが決まりました。コンセプトとデザインを評価いただきうれしいです。環境にいいとかサステナブルだからと我慢して無理に使っていただくのではなく、その商品が気に入ってたまたま手にとったら環境によかった、というものを創っていければ、自然に環境への負荷は減っていくはず。そんな姿勢でこれからも開発を進めていきたいと思っています。

取材先

有限会社古田化成 代表取締役 古田 伸享さん

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「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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