日本人選手たちの活躍により、パラスポーツの注目度が高まってきました。今回から「ボッチャ」を二週にわたって取り上げます。やったことのある方、いらっしゃいますか?第一週目は、ボッチャ入門編です。一般社団法人日本ボッチャ協会 普及振興部長の新井 大基(あらい だいき)さんに、ボッチャのルールからお話しをうかがいました。
似てるけどちょっと違う「ボッチャ」と「カーリング」
ボッチャは、白い「ジャックボール」と呼ばれる的球(まとだま)に対して、「スローイングボックス」という決まったエリアから、赤チーム、青チームの選手がそれぞれ6回ずつボールを投げる・転がすなどして、最後にどれだけ的球に近づけられるかを競う競技です。ジャックボールは野球のボールより一回り大きく、革製でお手玉のような手触り。コートは、横6メートル×縦12.5m。バドミントンのダブルスのコートより一回り広いサイズをイメージしていただくとわかりやすいかも。初めて体験する方は「意外に広い」と感じられるようです。対角線上で11mほどになるので、目標のジャックボールが遠くにあると、そこに「ぴたっ」とボールを寄せるのは、かなりの集中力と技術を要します。相手チームよりもジャックボールに近づけた球の数が得点になります。6球ずつ投げ合うのを1「エンド」と数えて、4エンドの合計得点により、勝敗が決まるのです。「カーリング」と戦略・戦術はよく似ていますが、大きな違いは「ボッチャ」では「的球が動く」ということ。「カーリング」は、氷の上にある的が動かないことを前提に戦略・戦術を組んでいきますが、「ボッチャ」では、ボールを全て投げ切ったあとに、相手チームに「的」を動かされて逆転負け!っていうこともよくあります。少し違う戦略・戦術が必要になる競技ですね。
投げ方は、それぞれの特性を生かして自由に
新井 大基さん
「ボッチャ」は、パラリンピックの正式種目。パラリンピックの理念から「残った身体の機能を活用して、投げられるように」という趣旨で、ボールの「投げ方」は自由です。上からでも下からでも、足で蹴ってもOKです。投げる、もしくは転がすことができれば「有効」とされます。障がいの種類や程度により、それぞれの特性を生かした投球をします。また、手足を使って投球できない方は「ランプ」という滑り台のような道具を使い、ボールを転がして行う、BC3というクラスもあります。(ボッチャは障がいの程度によって、BC1~BC4の、4つのクラスに分かれます)
選手同士の戦術・かけひきに引き込まれる
障がい者競技で、華やかに演出されているものは、これまであまりなかったんですが「他のスポーツと同じ土俵に選手たちを連れて行きたい」という思いがあり、大会では入場からMC(司会者)がBGMとともにDJ風ナレーションで派手に選手を紹介するなど、盛り上げ方も工夫しています。MCの方にも、選手から「気持ちが高まった状態で試合に臨めます!」といったメッセージが届いているそうですが、いざ試合となると、館内の空気がピンと張りつめていくのが、分かります。選手たちの1球に対する集中力が、とにかくすごい。その緊張感は、観ているほうにも伝わります。一見、失敗に見えた投球も、2~3球後になって「あれ?さっきのボールが効いている!」っていうことも多くあって、トップの選手になればなるほど、その駆け引きはお見事。観客も騙されるほどなんですよ。ボールはマイボール制で、自分の障がいにあわせて作りますが、堅さや素材、その日のコートとの相性や湿度などによっても転がり方が変わるため、対戦相手や戦術によって選びます。選手は、試合前に集められてお互いのボールをチェックし合うんですが、その後の試合では、相手がどのボールを使ったか、どのボールが残っているかを確認しながら、ゲームを進めています。
※次回はトップクラスの選手だけでなく、子どもや高齢者も楽しめるボッチャの魅力についてうかがいます。
一般社団法人日本ボッチャ協会 普及振興部長 新井 大基さん
この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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