大きな災害が起こったとき、乳幼児、こども、そして妊婦や体力のない女性などへの配慮が遅れがちになります。彼らの命を守るにはどうしたらいいのか?そんな目線で活動を続けている団体があります。こども女性ネット東海 執行理事の藤岡 喜美子さんにスタジオにお越しいただき、活動の内容について詳しくうかがいました。
女性や子どもの声を聴いて「みんな」で動く
大きな災害時には、妊婦さんや乳幼児、子どもたちの声は、なかなか届くことが難しいのではないか?それなら自ら声をあげましょう、とつくった組織です。災害時は、高齢者など大勢の方の命を助けることが優先されます。数からすれば女性は半数を占めますし、子どもがいるのに「配慮対象者」「弱者」としては認識されないようで、後回しにされることが多いように感じます。避難所などでは、リーダーは「男性」で、女性や子どもは「お手伝い」的な存在であることが多いんですね。避難所の炊き出しは女性がすることが多いです。逆に女性がやるものだと思われていたりします。これは、みんなでやればいいことです。最近は「子どもにもボランティアをやってもらいましょう」という動きもありますが、女性や子どもの声もしっかりとうけとめて、その場で対応することができれば「みんなにいい環境」が作れるのでは?と考えています。「自分たちで考えて、自分たちで動く」ことにより、全体がよくなるという想いから、組織の名前にも「こども」と「女性」を入れています。
「安心」な環境をつくるために平常時から活動を
藤岡 喜美子さん(左)
災害時の活動って、レスキュー的なものが多いんです。しかし、発災後に一番大切なことは、こころの安心や、これから生きようという力。いくら周りを片付けてもらっても、それらがなくては未来がないんじゃないかと思っています。私たちの活動の特徴は、子どもと女性目線の大切さとともに、災害時だけを切り出すのではなく、平常時からやっていることは災害時にも絶対に役に立ちます、それをもとに災害発災時もすぐに動きましょう、ということなんです。災害発災時は「安全」が重視されますが「安心」な環境をつくっていくことはハード的なことではなく、人と人との関係の中から出てくるもの。女性と子どもは特にそういう感覚を持っているんじゃないかなと思います。熊本地震の時、支援金をお送りしたご縁で活動をしている方に愛知に来ていただいてシンポジウムを開催しました(2017年)。その時に参加された方々から「藤岡さん、熊本を応援してシンポやってる場合じゃないよ。自分たちで何かやらなきゃ!」と言われたのが、活動をはじめたきっかけでした。
自分で考えて自分で動ける「女性防災リーダー」を育成
「女性防災リーダー」の育成講座も行っています。避難所生活は「生活」です。「生活」を知っているのは、誰でしょうか?例えば、避難所に生理用品が救援物資で届いたら、女性全員に1個ずつ配られたなんていう話があります。男性のリーダーには、なかなかわからないんですよね。こういう時に、ちゃんと主張ができる女性が必要です。「リーダー」と言っていますが、ヒエラルキーのリーダーではなく、現場を見て、自分で分析して、判断して動ける人が必要なんです。活動の中で大切にしているのは「つながり」。地域の中でのつながりはもちろんのこと、例えば、犬山市と岡崎市とでは、地域のあり方や行政の取り組みも違いますね。つながりがあれば知見を交換したり相談したりができます。女性防災リーダーの講座を一緒にうけることで「同じ思いを持つ人」とつながることもできます。講座の「避難所体験」で一泊をともに過ごしたり、大規模な被災地に視察に行ったり。こういう人たちがまた青森や大阪、四国、九州など、同じような思いで活動している方々とつながっていく。このような、地域を超えたつながりが、とても大切だと思っています。
こども女性ネット東海 執行理事 藤岡 喜美子さん
この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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