今年10月に愛知、名古屋で開催される第5回アジアパラ競技大会を前に、もっと「パラ競技を知りたい!」と、さまざまなパラスポーツを取り上げています。先週にひきつづき「パラ卓球」をピックアップ。日本肢体不自由者卓球協会広報の立石 イオタ良二(りょうじ)さんに、パラスポーツを支え、広める立場からパラ卓球の魅力について、うかがいました。
パラ卓球への共感を増やして、その凄さを伝えたい
立石 イオタ良二さん
2020年の東京パラリンピックの開催前、本番に向けてさまざまな自治体でパラスポーツの体験イベントが行われて、その中でパラ卓球の体験会もさせていただきましたが、車いすにすわって卓球をやっていただいても、参加した人にインプットされるのは「大変だね」「難しいね」だけでした。そこでパラ卓球のブランディングを考えるにあたって、まずは「どれくらいの人がパラリンピックのことを知っているんだろうか?」「そもそもパラ卓球を見たことあるんだろうか?」を知りたくて、渋谷や新宿、原宿など東京の各所で1000人以上の人にアナログでアンケートをとりました。「パラリンピックを見たことがありますか?」とか「オリンピックとパラリンピックどっちが面白いと思いますか?」とか。そうしたら、「パラスポーツを見たことがある」という人が、1%に満たなかったんですね。パラ卓球は、いろいろな障がいをカバーしていて、手がない、足がないなどの障がいをもつ中で、それぞれの挑戦のポイントが違うんですが、そこを知ってもらえなければそのすごさをわかってもらえない。もし彼らが何にチャレンジしているのかを「可視化」できたら、共感をうむことができるんじゃないか?と、「カタチにとらわれない卓球台」のプロジェクトを始めました。
パラ卓球選手たちの世界を再現する「カタチにとらわれない卓球台」プロジェクト
パラ卓球って、障がいの種類によってクラスが分けられているわけじゃないんです。自分の障がいがどれくらい卓球に影響するか?という度合いによって分けられているんです。同じクラスで闘っていても、それぞれ選手がチャレンジしているものは違います。これをデザインとクリエイティブで解決する試みが「カタチにとらわれない卓球台」プロジェクトです。それぞれの選手に「あなたが闘っている卓球の世界を卓球台で表すとどういう形になりますか?」とヒアリングし、スケッチしてもらいました。例えば、左足にハンデを抱えている選手は、「左側がすごく遠く感じます」とか、車いすの選手は、「ネットの前に物理的に手が届かないので、すごく遠い」とか。当時のナショナルチーム21人に聞いたところ、全員が違う卓球台の形を描いたんです。それで卓球台をデザインしたらポップなものになったので、実物をつくったら絶対おもしろいだろうと、卓球台を作っている三英という会社にご協力いただき、3つのタイプの卓球台を作りました。
アジパラ競技大会で、カタチにとらわれない卓球台の体験も
スポーツ庁の長官室に持ちこんで体験してもらったのを皮切りに、イベントや都内の小学校の出前授業などで体験してもらいました。この卓球台は、片方は通常通り、もう片方は選手たちが挑戦している世界観を再現した卓球台になっています。通常の卓球台のほうにパラ選手、もう片方に健常者が立ってプレイすると、健常者と障がい者の条件がフィフティフィフティになります。そうすると、試合がすごくもりあがるんです。体験のあと、子どもたちが「あんなに難しいことができていてすごい」「車いす見せて」「ラケット見せて」と自然にわ~っと選手の周りに集まってくるのを見て、このプロジェクトをやってよかったなと感じました。実は、東京のパラリンピックでこの卓球台も会場に置いて体験してもらうことになっていたんですが、残念ながら無観客になってしまって実現しませんでした。今回のアジパラ競技大会では、この「カタチにとらわれない卓球台」を会場に置く予定です。ぜひ、多くの方に選手たちを見てほしいです。選手たちがどこにチャレンジしているかに注目して、観戦を楽しんでいただきたいと思っています。
日本肢体不自由者卓球協会広報 立石 イオタ良二さん
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「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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