2023.01.31

あいち国際女性映画祭 ディレクター 木全 純治さんのSDGs

あいち国際女性映画祭2022

  • #映画からジェンダーを考える
  • #女性監督の活躍

国内外で活躍する女性監督による作品や、女性に注目した作品を集めた「あいち国際女性映画祭」は、国内唯一の国際女性映画祭。今年で27回目を迎えます。この映画祭を立ち上げ、スタート時からディレクターを務める木全 純治さんにお話をうかがいました。

日本初公開作品に出会える

映画祭は、今年も9月8日から11日まで、ウィルあいちと名古屋駅のミッドランドスクエアシネマで開催されます。今年の上映は、コンペティション作品も含めて31作品。そのうち、日本初公開が3本あります。そのうちの1本が、オープニング作品、韓国映画の『ギョンアの娘』(2022年)。主人公のギョンアとその娘が、娘の元彼が性的な動画を拡散したことで起こるトラブルにたくましく立ち向かっていく、というお話です。女性映画祭にふさわしいテーマだと選びました。
クロージングも日本初公開。フランス映画の王道ともいえる作品で、『SECRET NAME』(2021年)。舞台は第一次世界大戦中のフランス貴族社会。爆撃で亡くなってしまった良家のお嬢さんと貧しい看護師の女性とが入れ替わってしまうというストーリー。当時の貴族社会が丁寧に描かれて興味深いです。映画祭は、オープニングとクロージングが「キモ」。見どころが満載です。

ドキュメンタリー作品に注目

あいち国際女性映画祭で話す木全さん

今年は、ドキュメンタリーで優れた作品が多かったのも特徴です。『異国での生活から』
(2020年)ベトナムの女性の不法滞在をドキュメントした台湾の監督の作品です。インド映画の『燃え上がる記者たち』(2021年)は、最下層のカーストにある女性たちが、スマートフォンで世の中を暴いていく、というカーストとジェンダーの複合差別に立ち向かう女性記者たちを追ったもの。これは新しい世界です。ぜひとも見ていただきたい。日本の監督も頑張っています。『北のともしび』(2022年)は東志津監督の作品。ドイツ・ハンブルクを舞台にナチスの人体実験で犠牲になった20人のユダヤ人の子どもたちと、時代を超えて向き合う人々を追ったドキュメンタリー。10年をかけて丁寧な取材を行っていてこれも注目です。

国際女性映画祭に託す想い

あいち国際女性映画祭がたちあがった27年前は、女性監督は圧倒的に少なかったんです。しかし現在、機材が軽く使いやすくなったことや、社会情勢の後押しもあって、世界中で女性の映画監督はずいぶん増えました。
国際映画祭の魅力は、海外から監督が来日して交流する中で、世界の課題を話しあったり、刺激をうけあったりして次作のアイディアがうまれたりするところです。今年も、日本の監督はお呼びできますが、海外の監督はリモートでの参加になりました。来年は、コロナをぶっとばして、多くの女性監督たちと直接お話をして、次へのスタートを切りたいと思っています。

取材先

あいち国際女性映画祭 ディレクター 木全 純治さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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