2023.05.26

中部国際空港株式会社 リテール企画グループ 中原 尚哉さんのSDGs

セントレアとSDGs

海洋プラスチックごみで飾るクリスマスツリー

高さ6メートルのメインツリーを飾っているのは、海洋プラスチックごみのアップサイクル製品や、再生サイクル用のプラスチックを使った手作りのオーナメントです。空港のスタッフや地元常滑で働いているみなさんと一緒に制作。トータル110人以上の方がかかわり、200個のオーナメントを作りました。材料のプラスチックのチップは、日本各地の海岸に落ちていたプラスチックごみをボランティアの力も借りて回収。色ごとにわけて粉砕し、溶かし固めたものです。私もこのプラスチックチップを使ったオーナメントづくりに参加しました。また、同時にセントレアのSDGsの取り組みや、プラスチックごみの問題などについて考える勉強会も開催したことで、参加者の絆や学びが深まったように感じます。ツリーの前には、コンセプトや作ったスタッフたちのメッセージカードなども展示。お客様もツリーをご覧になるだけでなく、内容もしっかり読んで下さっているようでうれしいです。

セントレアのSDGsの取り組み

セントレアは、開港当時から「人と環境にやさしい」空港を目指しています。もともと海を埋め立ててつくった海上空港。どうしたら環境への負荷を少なくできるかを考えて設計されています。屋根に太陽光パネルをたくさん設置したり、雨水が利用できるようにしたり、自然光を取り入れたり、「環境にやさしい」を考慮した建物の工夫もあちこちに施されています。また、2005年の開港当時、ユニバーサルデザインをたくさん取り入れた「人にやさしい」空港としても先進的でした。車いすの方でも利用しやすいようなお手洗いの広さやドアの工夫は今では当たり前になりましたが、空港駅に降りてからターミナルに入り、飛行機に乗るまで、ひとつも階段のないつくりになっています。

航空業界一番の目標は

2021年からは、SDGsを経営の軸に据えています。一番の目標は「カーボンニュートラル」です。飛行機はジェット燃料を使って飛びますので、どうしてもCO2の排出量が増えてしまいます。これをどうにかして減らしていかなければならないというのが、全世界の航空業界の課題。「SAF (Sustainable aviation fuel) サフ」と呼ばれるCO2の排出量の少ないバイオ燃料を航空機に使用する研究が行われています。
また、空港にはさまざまな業種の店舗が入っています。セントレアが主導して「お店とともにセントレアスマイルSDGs」という活動がひろがってきています。フードロスを減らすことや、プラスチックごみを減らすこと、そして国際空港としては、メニューの多言語表記などに積極的に取り組んでもらっています。空港は影響力、発信力のある場所でもあります。ここでの取り組みが、社会に広がりつながる意味も大きいと感じています。

facebook

この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。