2023.06.02

株式会社On-Co 代表取締役 水谷 岳史さんのSDGs

さかさま不動産

2023.06.02

家を借りる時は「どんな家か」という不動産の情報を先に知りたいもの。
ところが「こんな家を借りたいです」「こんな風に住みたいです」と借りる側の想いをまずは宣言してもらい、賛同してくれる大家さんをマッチングさせるユニークな不動産サービスが、空き家問題解決の新たなアプローチとして注目を集めています。
名付けて「さかさま不動産」。サービスを運営している株式会社On-Co(おんこ)代表取締役 水谷 岳史(たけふみ)さんにお話をうかがいました。

借りたい人の想いを貸したい人につなぐ

不動産を契約する時って今までは、不動産の情報が見えるウエブサイトか不動産屋へ行って、借りたい人が不動産屋か大家さんに直接問い合わせをして物件を借りるというプロセスが、普通だったと思うんです。でも僕たちがやっているのは、名前の通り「さかさま」。大家さん側の不動産情報は一切掲載されていません。「借りたい人」や「何かその場所でやりたい人」が掲載されていて、大家さんの方が「この子だったら貸してもいいな」とか「こんな使い方してくれるなら空き家、貸してもいいな」ということができるしくみになっているんです。例えば「昔ながらの古民家で人が集う場所を作りたい」「大人も子どもも安心して楽しめる場所を作りたい」「趣味でつながる場づくりがしたい」などなど。「みんなで笑えるお城の王様になりたい!」なんていうのもあります(笑)広さとかエリアとかではなく、どちらかというと「表現したいこと」が掲載されていることが多いです。

さかさま不動産誕生のきっかけ

水谷 岳史さん

僕たちも会社を作る前に、名古屋駅の近くで空き家を借りて、自分たちでDIYをしてシェアハウスや飲食店、いわゆる古民家活用みたいな活動をしていたのがこのしくみを考案したきっかけです。半径1キロくらいで8軒も借りていました。大家さんとコミュニケーションをとって自分たちのやりたいことを伝えて「どっかいいとこないですか?」って相談すると、大家さんを通して地域の人が順に紹介してくれるようになっていったんです。まずは借りたい側が何者かを知ってもらうことの大切さを感じました。逆に、貸す方も家賃を払ってくれるならだれでもいいというわけじゃない。だったら、そういう場をつくりましょうということになったんです。

空き家問題の新たな解決策として

さかさま不動産がスタートしておよそ2年。現在14件のマッチングが成立しています。
古民家を改装した名古屋市金山の「TOUTEN BOOKSTORE」が第一号です。「町の本屋さんを開きたい」という借りたい人の想いと、「地域のために本屋がほしい」という空き家のオーナーの想いがマッチング。本好きの大家さんが頻繁にお店を訪れ、本を買うのはもちろん、コーヒーを飲んで行く(カフェスペースあり)というよいお付き合いが続いているそうです。
空き家問題に悩む全国の自治体からの問い合わせや、大家さんからの直接の相談も増えています。その土地で町づくりをしようという人たちにさかさま不動産の仲間になってもらって、単に物件をつなぐだけでなく、地域にとってよりよい人的交流がうまれるきっかけがつくれればと思っています。


<TOUTEN BOOKSTORE>
https://touten-bookstore.net/
(TOUTEN BOOKSTOREのサイトへリンクします。)

取材先

株式会社On-Co 代表取締役 水谷 岳史さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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