今年(2023年)8月、愛知県の大村知事が、事実婚や性的マイノリティのカップルやその子どもを家族として公式に認める「ファミリーシップ制度」の導入を検討すると発表しました。(※2023年放送当時の内容です。制度は2024年4月から開始されています)
来年の春からの運用を目指すというこの「ファミリーシップ制度」について、愛知県県民文化局人権推進課 主査の山田 章貴さんにスタジオにお越しいただき、お話をうかがいました。
ファミリーシップ制度とは
もともと「パートナーシップ制度」という、婚姻が認められていない同性カップルのために、「互いを人生のパートナーと約束した関係である」ということを自治体が証明する制度があります。「ファミリーシップ制度」はそれをさらにひろげたものです。今回愛知県では、同性同士、異性同士を問わず全てのカップルとその子どもなどの家族を含めたファミリーシップ制度として導入を検討することになりました。
自治体が独自に行うものなので、権利や義務といった法的効力はありませんが、婚姻関係にないパートナーでも、その自治体内で「公営住宅への入居」や「公立病院における面会、手術の同意」などの行政サービスが受けられるようになります。そのほか、生命保険の受取人にパートナーを指定したり、携帯電話の家族割が受けられたりできるようになります。
同性カップルだけでなく異性カップルや子どもたちも
審議会の様子
愛知県内で活動している関係団体や有識者にヒアリングを行ったところ、同性カップルのみを対象とした制度にすると、証明書を持っていることによって、自らが性的マイノリティであることのカミングアウトになるおそれがあるという意見をいただきました。
また、子どもを育てている、あるいは、育てたいというカップルが増えており、ファミリーも対象とした証明書があれば、保育園や学校などへの説明がスムーズになるなど、日常の困りごとの解消や負担の軽減になると考えています。
あえて県単位での導入を目指す理由
山田 章貴さん
2023年10月1日現在、愛知県内の26の市町がパートナーシップ制度を導入していて、このうち13市町で、子どもなども含めたファミリーシップ制度を導入しています。今後もこの動きは広がっていくと思われますが、県が制度を導入することで、未導入の市町村に住んでいる方も制度を利用できるようになります。また、県内の導入自治体から未導入の自治体に引っ越しをしても、県単位の制度があれば、パートナーや子どもなどとの関係性をひきつづき示すことができます。
その他、制度を導入している市町村に住んでいても、地元の役所に知り合いが働いているなどの理由で申請を避けたい方もいらっしゃるので、選択の幅を広げる上でも、県単位で導入してほしいという声がありました。「愛知県人権尊重の社会づくり条例」の理念である「多様性を認め合い、誰一人取り残されることのない人権尊重の社会づくり」をさらに前進させるものになると考えています。
今後、愛知県人権施策推進審議会で委員の意見を聴きながら検討をすすめ、来年(2024年)4月1日から制度を運用開始できるよう準備を進めています。
愛知県県民文化局人権推進課 主査 山田 章貴さん
この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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