2026.07.10

東山動植物園 飼育第二グループ 武田 梓さんのSDGs

ワオキツネザル

シリーズ:絶滅危惧種を考える

2026.07.10

番組では、月に一度、東山動植物園で飼育展示している動物にスポットを当て「絶滅危惧種」について考えています。今月取り上げるのは、ワオキツネザル。白と黒の縞々のしっぽが可愛いおさるさんです。東山動植物園 飼育第二グループの武田 梓さんに、お話をうかがいました。

マダガスカル島にだけ生息するキツネザル

写真提供:名古屋市東山動植物園

ワオキツネザルの「ワオ」は「輪尾」。白と黒の輪(ワ)っか模様の尾(オ)で、鼻先がキツネみたいな「キツネザル」という見た目から名前がついています。アフリカのマダガスカル島に生息している彼らは、鼻がよく利き、臭いでコミュニケーションをとったりエサを探したり。自分の縄張りのアピールも、臭いづけが大事なようで、オスは手首に黒い臭腺※があります。数頭から20頭くらいの群れで活動し、活動時間帯は昼間。マダガスカルでは珍しいそうです。一妻多夫制になることもあり、メスのほうが強い社会のようです。マダガスカル島のジャングルで、木の葉や花などを食べて暮らしています。縞々のしっぽは、木の上での生活でバランスをとるだけでなく、輪っかの数が個体によって違うので、個体識別にも役立っています。東山では、冬はワオキツネザル同士が並んで、お互いのしっぽにくるまってマフラーのようにしていたりします。鳴き声は「猫の鳴き声や幽霊みたい(笑)」とも表現されたりもします。甲高い声で鳴き合ったり、わたしたち飼育員にたいして可愛く「クー」と鳴いてくれたりもしますね。

臭腺とは、動物の体表にあり、その動物特有の強い匂いのする分泌液を出す器官。

動物園ではよく見るけれど…実は絶滅危惧種

写真提供:名古屋市東山動植物園

ワオキツネザルが半分立ち上がって両手を広げ、お腹を太陽にむけて身体を温めている姿は、とても可愛いです。体温調整はあまり得意ではないほうで、寒い冬は苦手ですし、部屋でもボイラーの熱風が出るところにお腹をあてて身体を温めたりもしていますね。犬山市(愛知県)のモンキーセンターではストーブにあたっている姿も見られるそうです。日本の動物園では比較的よく見られる動物かもしれませんが、野生では2000~2400頭と推測されています。私も今回調べてみて、こんなに少なくなっているんだと驚きました。森林の開発などで、生息地が減少したり分断されたりしたことが数を減らした原因といわれています。マダガスカルでは保護区を制定して生息地を守る活動が行われていますが、ワオキツネザルは、みなさんがよく知っているメジャーな種でもあり、保護活動の「フラッグシップ種」にもなっているそうです。

穏やかな東山のワオキツネザルたち

武田 梓さん(写真提供:名古屋市東山動植物園)

現在、東山には3頭のワオキツネザルがいて、1頭と2頭に分かれて穏やかに暮らしています。1頭で暮らしているのはメスの「モナ」。1993年2月生まれのおばあちゃんです。2頭で暮らしているのはオスの「ゴン」(2004年6月生まれ)とメスの「ラン」(2004年11月生まれ)。2頭は隣り合ってごはんも食べますし、しっぽも巻きあって仲良く暮らしていますが、優先的にエサを食べたりしているランのほうが強いなあ…(笑)と感じますね。園内のシラカシという木が好きなんですが、つづくと飽きてしまうので(笑)、色々な木を切ってきて、彼らが新鮮な木や花をいつでも食べられるようにしたり、ウッドチップの上にエサをまいて鼻で探せるようにしたりと、工夫しています。

取材先

東山動植物園 飼育第二グループ 武田 梓さん

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「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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