2026.06.24

東山動植物園 飼育第一グループ 片岡 裕貴さんのSDGs

マレーグマ

シリーズ:絶滅危惧種を考える

2026.06.24

番組では月に一度、東山動植物園で飼育展示している動物にスポットをあて「絶滅危惧種」について考えています。今月取りあげるのは、マレーグマ。「中に人が入ってるんじゃないか?」といわれるくらい、ユニークなしぐさで人気があります。東山動植物園 飼育第一グループの片岡 裕貴(ひろき)さんにお話をうかがいました。

世界最小、冬眠をしないマレーグマ

写真提供:名古屋市東山動植物園

世界には8種類のクマがいますが(パンダもクマの仲間です。8種類って意外に多いような少ないような……)その中でも最大の種類がホッキョクグマ、そして最小の種類がマレーグマといわれています。体長は1.2~1.5m。エサが豊富な暖かい地方に住んでいるということもあり、彼らは冬眠をしません。日本にいるクマのイメージと違いますね。木登りが上手で、十数メートルの高さまで登ります。そのための鋭い爪も持っています。体毛は全体的には黒、胸元に黄色の毛があることもあって、海外では太陽の光にちなんで「サンベアー」とも呼ばれています。暖かい地域に暮らしているため、体毛は短いです。首の周りがタプタプとだぶついていますが、これはトラなどに噛まれてもダメージを受けないようになっているといわれています。長い舌も特徴的です。25㎝あるといわれます。みなさん自分の舌と比べてみてください(笑)

農園開発による生息域の分断、密猟などで絶滅の危機に

写真提供:名古屋市東山動植物園

野生では熱帯・亜熱帯のマングローブ地帯から、タイ・インドネシアにおいては標高2300~2800mの高地の森林まで、東南アジアの各地に分布しています。「サンベアー」と呼ばれているので、日中に活動しているのかな?と思いきや、彼らは夜行性です。虫やトカゲ、げっ歯類の動物などの他に、果物や植物の根も食べています。他には、白アリの巣からアリを食べたり、ハチの巣を襲うこともあるといわれています。彼らは巣を2~7mほどの木の上に作り、日中は木の上で過ごすことが多いのですが、これは天敵から身を守りやすいるためかもしれませんね。生息数はマレー半島だけで50~300頭と推定されていますが、森が深いこともあり、正確な個体数の把握は難しいのが現状です。農園開発による人との衝突や、生息域の分断、漢方薬の原料となる胆のうを目的とした密猟、子熊のペット目的での取引なども原因となり、かなりの数を減らしたといわれています。

国内最高齢、ビッグママのマー子さん

片岡 裕貴さん(写真提供:名古屋市東山動植物園)

現在、東山動植物園で飼育している「マー子」は1997年1月12日生まれ(中国)の29歳。2004年に来園した国内最高齢のマレーグマです。おばあちゃんですが食欲があり、ハチミツの匂いを嗅ぎつけると運動場に一目散に探しに行きます。運動場の2階の奥はちょっと山になっているんですが「あら、ハチミツここかしらね!」なんて感じで(笑)登って、とても元気です。4頭の子どもを産んだビッグママでもあります。すべて名前に「マー」がつくんですが、「マーヤ」(メス2005年生まれ)は徳山動物園(山口県)、「マーチン」(オス2012年生まれ)は豊橋総合動植物公園(愛知県)、「マーネ」(メス2015年生まれ)は沖縄こどもの国(沖縄県)、「マーサ」(メス2008年生まれ)は天王寺動物園(大阪府)と、全国各地で元気に暮らしています。日本国内では現在(放送時点)8園館で14頭のマレーグマが飼育されていますが、マー子さんの功績は大きいですね。マレーグマは強い母性が特徴で、子どもを抱っこして移動するといわれています。わたしは担当して以降、子どもを見たことはないんですが、おしゃぶりもするそうです。

施設名:名古屋市東山動植物園
所在地:〒464-0804 愛知県名古屋市千種区東山元町3-70
電話:052-782-2111
公式サイト:www.higashiyama.city.nagoya.jp
Youtubeチャンネル:www.youtube.com/user/HigashiyamaPark
開園時間:9:00~16:50(入園は16:30まで)
休園日:月曜日(祝日の場合は直後の平日)、12/29~1/1

取材先

東山動植物園 飼育第一グループ 片岡 裕貴さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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