創業200年の老舗ガラスメーカーが、工場から出る熱を利用してコーヒーの栽培を始めました。そのメーカーとは、愛知県岩倉市にある石塚硝子。昭和レトロな模様が人気の「アデリア」シリーズなど、さまざまなガラス製品を創っています。なぜガラスメーカーがコーヒー栽培を始めることになったのか。石塚硝子株式会社 新事業・機能材料カンパニーの、新妻 貴明さんにお話をうかがいました。
工場排熱の有効利用とコーヒーの2050年問題
もともとは「新規事業を起案するプロジェクト」の一環で、「工場の排熱を利用したコーヒー栽培」というアイディアを、コーヒー好きな女性社員が提案したことがきっかけです。石塚硝子の工場では24時間365日、ガラス製品をつくる際のガラスの溶解工程で排熱が発生しています。この排熱の活用方法については、ずっと前から課題になっていました。排熱利用とコーヒーの2050年問題※がマッチして一度検討してみようかということになったのです。
コーヒーの木は温暖な気候である「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道付近を中心に世界中で栽培されているが、気候変動の影響をうけて、将来的にコーヒーの収穫量が大幅に減少するおそれがあるといわれている
どんな品種があうのか?10種以上を栽培・検討
愛知県岩倉市でどのような品種が育つのか?簡単かつ大量に育つのか?ということも分からないところもあるので、現在は10種類以上の品種を育てています。社員6名で担当していますが、みんなコーヒー栽培は素人。指導していただける方から定期的な指導をうけて栽培を行っています。昨年は、4、5月ごろに少量ですが収穫ができ、今年はさらに多くの収穫を期待していましたが、昨年の夏に猛暑でコーヒーの花が枯れたりして、うまく実がなりませんでした。本来は、花が咲いたあとに緑色の実がなって、そのあと赤くなっていきます。その中にコーヒーのお馴染みの豆が入っていますが、今年の収穫は、それほど期待ができそうにありません。熱すぎず寒すぎずの温度維持が必要ですので、暑さ対策にミストの工事も実施しました。ミストを噴霧することで今年の夏は乗り切りたいと考えています。
地元岩倉産のコーヒー、最初の一杯は?
新妻 貴明さん
工場排熱を活用したコーヒー栽培の技術の確立が目標です。将来的には、この技術を生かし、栽培したコーヒー豆を岩倉市内で焙煎し、コーヒー店で販売することで地域社会との連携を深めたり、それをふるさと納税の返礼品にしたいと考えています。また多様な働き方の支援につながるような地域共生モデルの可能性も探っていくつもりです。「最初の一杯を誰が飲むか?」はまだ決まっていないんですが、楽しみです。
石塚硝子株式会社 新事業・機能材料カンパニー 新妻 貴明さん
この取り組みのSDGsを知ろう
「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。
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